バトントワーリング 全国、そして世界の舞台を目指す由布高校の日野綺音(3年)と渡辺心愛(2年) 【大分県】

1本のバトンを自在に操り、曲に合わせた表現力や演技力を競うバトントワーリング。優雅で華麗な演技の中には、体全体を使ったアクロバティックな動きもあり、技を取得するまでには努力と練習量が必要となる。

全国大会、世界大会で活躍する選手を輩出している「E・STAR BATON TEAM(イー・スターバトンチーム)」。所属する日野綺音(由布高校3年)は、ペア種目で世界一に輝いたことがある。また、昨年開催された「第23回ジャパンカップマーチングバンド・バトントワリング全国大会」では個人の部で優勝した。「結果を聞いてほっとした」。コロナ禍で規制されていた声出し応援が解禁となり、「大きな声援が結果に結びついた」と笑顔を見せる。日野の目指す先は、世界の舞台だ。「予選となる1月の九州大会、そして3月の全国大会で結果を出して世界大会へ出場することだけを考えている」。世界バトントワーリング選手権大会のペアでの連覇、そして個人種目でも「結果を残したい」という大きな目標を胸に、毎日の練習に励んでいる。

イー・スターバトンチームの選抜チーム

小学1年からバトントワーリングを始めた渡辺心愛(由布高校2年)は、急成長を見せる17歳。チームの中で大会入賞を目指す「アスリートコース」に入ったのは小学5年の頃。周りに比べ、少し遅いスタートだったが、翌年には初の全国大会出場を決め、高校生になると、チーム内の選抜チームに抜擢されるほど成長した。「納得のいかない演技をしてしまうこともあるけど、楽しんで表現することを心がけている。心配な技は何度も繰り返し練習を重ねている」(渡辺)。指導に当たる佐藤文代表は「静かなタイプだが諦めずに続けてきて全国でも上位入賞するようになった。高校生になり目標も明確になったので、自信を持って表現してほしい」と大きな期待を寄せている。

同じ高校に通い、同じクラブチームで活躍する2人。バトンを通じて学ぶのは技術だけではなく、あいさつや礼儀、そして周りの人たちに感謝する気持ちだと口をそろえる。「心・技・体」を兼ね備える2人が目指すのは、日本、そして世界の舞台だ。

幼い頃から切磋琢磨(せっさたくま)し、成長を見せる日野綺音(左)と渡辺心愛(右)

(塩月なつみ)

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