能登の被災者「早く仮設住宅を」 生活支援へ不安訴え

 「仮設住宅を早く」「道路を直して」。政府が能登半島地震を「激甚災害」と指定した11日、被災者は住まいの確保など生活再建への不安を訴えた。故郷を襲った震災の爪痕は深く「もう住めない」との諦めを口にする人も。国は支援を決めたが絶望感が漂う。

 輪島市の奥田史郎さん(76)は「1週間以上まともにご飯を食べることもできなかった」とボランティアによる炊き出しを口にしながら声を絞り出した。自宅は全壊し、隣接する珠洲市に住む親族との連絡は途絶え気味。「公的機関が動く感覚がなく、期待していない。このまま復興を見ることなく死んでいくんだろう」と寂しげな表情を浮かべた。

© 一般社団法人共同通信社