「安心なものが必要だなと感じて」ご近所の「健康」「安心」願い 腕を振るう総菜店【しずおか産】

静岡県下田市の外浦海岸です。2023年11月、一軒のお店がオープンしました。

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<柴田寛人記者>
「お~!おいしそうなお総菜がたくさん並んでいます」

今回のしずおか産は、「健康」と「安心」、ご近所を見守る総菜の店。「外浦デリカ アン」では、無添加、無農薬の総菜を買えるほか、コンテナハウスの中で海を見ながら食事も楽しめます。

<外国人客>
「どうもありがとう!すごいね野菜が多いですね。とてもおいしいですね」

評判のランチプレート、1,500円(税込)です。

外浦デリカ アン 武田歩さん
「一品一品、ていねいに手作りで仕込んでいます。まずスープの方なんですけど、南伊豆産のエビイモをポタージュにしたもので、味付けに玉ねぎ麹を使っています。から揚げも玉ねぎ麹で下味をつけたものを米油で揚げています」

国産の鶏肉を使ったから揚げです。

柴田寛人記者
「やわらかいですし、味付けもしっかりしてます。おいしいです」

店主の武田歩さん(58)です。店の名前「外浦デリカアン」に2つの思いを込めました。

<外浦デリカ アン 武田歩さん>
「今まで自分を大事にしてくれている地域の人たちのことも心配なので、安心できる仕組みをつくりたいなと思ったのが1つと、美容の勉強をしていく中で、体の中からきれいにしないと、表面に現れないことが分かったので、体に入れるもので安心なものが必要だなと感じてアン(安)にしました」

武田さんは母親の跡を継ぎ美容師をしています。父親は料理人でした。共働きの両親を支えようと小学生の時から台所に立っていたといいます。この日、総菜を持って歩く武田さんについて行くとー

<外浦デリカ アン 武田歩さん>
「こんにちは~武田です。あした食べて。お裾分けで。いろいろ入ってるの」

1人暮らしの男性です。

<近所の高齢男性>
「年も年なので、やっぱりかったりいですよね。料理を作るのは。近くに(総菜店が)できたから助かってます」

食事を満足にとれない高齢者の助けになりたい。2021年の大みそか、武田さんが総菜店を始めるきっかけになった出来事がありました。

<外浦デリカ アン 武田歩さん>
「私が子供の時からお世話になっているおばあちゃんが、31日の夜に自宅の玄関で倒れて、2日間、そのまま放置だったのです」

武田さんは1人で過ごすおばあちゃんが気になりながらも年末年始は忙しく、様子を見に行くことはできませんでした。

<外浦デリカ アン 武田歩さん>
「病院に入院されてから会っていないんですよ。けっこう自分なりにショックでちょっと後悔したというか」

こんな出来事は繰り返したくない。武田さんは知人と総菜店を始めることにし、2023年11月30日、総菜店をオープンしました。

<外浦デリカ アン 武田歩さん>
「外浦でそういうお総菜の店ができたら、おばあちゃんも買いに来てくれるだろうし、買いに来なかったら、お裾分けだから食べてって、安否確認で見に行くことができるよね、みたいな話をしていて、日にちを決めてオープンしたって感じです」

武田さんは、ご近所の「健康」と「安心」を願い、腕を振るっています。

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