能登半島地震 激甚災害に指定 都内に広がる支援の輪

政府は能登半島地震を激甚災害に指定することを1月11日に閣議決定しました。都内にあるアンテナショップや飲食店などでは、被災地への支援の輪が広がっています。

能登半島を襲った地震から、1月11日で10日。いまも全容が分からない今回の地震について、政府は激甚災害に指定することを閣議決定しました。これにより、被災した全ての自治体を対象に公共土木事業や福祉施設、公立学校などの復旧にかかる費用について、国庫補助率が約1割程度引き上げられることになります。

また東京都でも、被災地の復興支援に関する会議が1月11日に行われ、都の支援内容が報告されました。これまでに、都庁の職員およそ100人が派遣され、避難所の運営支援や、断水地域での給水活動を行ったほか、災害用に備蓄していたミルクの一部提供や、都営住宅の無償提供などを行っています。

また、都内での支援の輪も広がっています。富山県のアンテナショップでは、店内の目立つところに、義援金の募金箱が設置されています。地震の発生を受け、4日から募金箱を設置。アンテナショップを訪れた人たちが、続々と募金しています。

募金をした人:「たまたま仕事でこっちの方に来たので。何か力になれたらなということで(来た)」「寒くって、物資とかも足りてないと思うんですけれど、心を強く持っていただきたいなと思います」

こちらの女性は石川と富山に親戚がいて、今も不安が尽きないということです。

募金をした人:「自分にできることが募金しかなかったので、募金させて頂きました」」
日本橋 とやま館 田崎統括館長:「募金箱に直行でいらっしゃる方とか、僕らも店頭に立ってると、いろんな励ましの言葉とかですね。そういった言葉をいただくことが多いですね」

さらに飲食店でも…

記者:「こちらのお蕎麦屋さんでは、食事をするだけで募金になるんです」

あきる野市二宮にある「そば処 花がき」では、来月29日まで客が食べた食事1食につき、30円の義援金を貯める活動を実施しています。来店した客は、この取り組みについて…

客:「たくさんは食べられないですけれどいいと思います」「朝新聞見て、花がきさんでそういう募金をやるんだというのを見ましたので、ちょっと募金を兼ねて、やってみようかなと思って来ました。素晴らしいことですよね」

また店名のステッカーを1枚500円で販売するほか、店内には募金箱を設置し、ステッカーの売り上げや募金を全額、日本赤十字石川県支部などに贈る予定です。

そば処 花がき 市川店主:「うちみたいな1店舗でやっているとこの現金なんてそんな多くは集まらない思うが、集まった現金で皆さんが暖かいもの食べられるようになってくれたらなって思っています」

都内各地でも支援の輪が広がっていますが、各自治体も対応に乗り出しています。

東京都が表明している被災者向けの都営住宅の無償提供について、1月11日の正午時点で、問い合わせが52件、入居希望が26件あったということです。そして、都内に避難してくる人に対して、特別養護老人ホームに約210名分、障害者入所施設に約140名分、透析患者約160名分を新たに提供すると発表しました。

また、住宅や就学、そして雇用なども相談できる避難者専用の窓口も、12日から開設するとしています。

災害関連死を防ぐためにも2次避難が呼びかけられていますが、高齢の方ほど地元を離れる不安から、躊躇してしまうことがあると思いますので、こうした取り組みが、少しでも被災した方の不安の解消に繋がることを願います。

またこうした支援は、都内の区市町村も行っています。各被災自治体からの支援物資の要請を受けて、文京区では非常食や飲料水を5日に能登町へ。江東区は金沢市に、防災課の職員2名のほか、区の災害車と2トントラックを1台ずつ、粉ミルクの缶や携帯トイレなどを提供しています。そして品川区は、輪島市に下着や手指の消毒液と大人用のおむつを提供しています。続いて板橋区は、金沢市に毛布や生理用品、トイレットペーパー、アレルギー対応の粉ミルクと哺乳瓶などを提供しています。

多摩地域の自治体では、八王子市が災害廃棄物の対応のため、能登町へ職員2名を派遣。稲城市は羽咋市にペットボトル200箱、輪島市には簡易トイレ10台などを提供しています。さらに、珠洲市と輪島市のふるさと納税についての事務負担を軽減するため、代わりに寄付金受領書の発送や、事務受付なども行っているということです。

被災地の求める支援が、刻々と変わる中、私たちが出来る支援はなにか、常に考えていきたいですね。

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