北朝鮮、中国、ロシア…複雑極まる日本の安全保障問題、今、必要なものとは?

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG(モニフラ)」(毎週月~金曜6:59~)。「New global」のコーナーでは、日本を取り巻く複雑な安全保障環境について取り上げました。

◆北朝鮮、中国、ロシア…日本を取り巻く現状は?

防衛白書によると、北朝鮮は今なお核実験を行い、2012年以降の弾道ミサイルなどの発射数は170発以上。一方、尖閣諸島周辺では中国艦隊が恒常的に活動し、2022年の接続水域入域日数は336日。そのため、国会でも遭遇時の武器使用に関してさまざまな議論が行われています。

そして、北方領土も着々と軍事要塞化。政府はロシアとの交渉を模索するもロシア側は完全に拒否。今、日本は戦後最も厳しく、複雑な安全保障環境となっています。

◆日本は同志国との連携を強化

そうしたなか、同盟国であるアメリカとは連携を強化しており、日米共同訓練の実績を見ると2013年度の24回に比べ、2022年度は108回と急増、さらには武器共有も進み、巡航ミサイル「トマホーク」や新型の中距離空対空ミサイル「AMRAAM(アムラーム)」の購入を予定しています。

また、日本は「OSA(政府安全保障能力強化支援)」なる新たな制度を創設。これは、いわゆる志を同じくする同志国との連携強化を図るものですが、キャスターの堀潤曰く"対中国包囲網”。フィリピンやバングラディッシュに対し、資機材の供与やインフラ整備などの援助を行ったり、つい先日には救難邸の供与でマレーシアとも合意。堀は「直接攻撃をするような武器は提供しないが、ある意味、防衛力を高めるための安全保障防衛装備品は供与しますということ」と解説します。

さらに、イギリスと次期戦闘機の共同開発を行うなど、安全保障に積極的に動いている日本ですが、それゆえに防衛費も増加。2024年度はかなり増額し、さらには2027年までの5年間で総額約43兆円を投じることも決定しています。

こうした状況にNPO法人「あなたのいばしょ」理事長の大空幸星さんは、「軍事力を背景に外交があるのも理解できるが、それでも外交努力は大事」と国同士の"外交”の重要性を指摘。

そして、政界には中国やロシアとパイプを持つ国会議員がいますが、往々にしてそういう政治家が"親中派”、"親露派”と呼ばれ敬遠されてしまうことを懸念。「何かが起こったとき、間違いなくそのパイプは役に立つことがある。どんな時代にも常に政治家は各国とパイプを持っておかなくてはいけない。"親中派”、"親露派”と決めつけ、外に追いやるのではなく、そこも政治で外交の1つだということを我々国民が評価することも必要」と訴えると、堀は「ものすごく大切な指摘」と頷いていました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 6:59~8:30 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組X(旧Twitter):@morning_flag
番組Instagram:@morning_flag

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