京都で人気「酒粕らーめん」 鶏がらスープ×酒かす=クリーミーな味わい 酒が飲めない人でもOK

京都伏見の酒かすを使用した酒粕らーめん(左)と鶏ジューシー

[胃心地いいね](760)美ら門扇 うるま市勝連比嘉

 後味にほんのりと日本酒の香り-。うるま市浜比嘉島の比嘉集落にある「美(ちゅ)ら門扇(もんせん)」は、県内では珍しい「酒粕(さけかす)らーめん」(千円、小は700円)が味わえるラーメン店だ。

 京都市内でラーメン店3店舗を経営していた山口昭弘さん(65)と妻の明実さん(57)が、空き家だった古民家を地元の人の協力を得ながらリフォームし、昨年10月にオープンさせた。

 酒かすは、日本の三大酒所といわれる京都市伏見から仕入れる。あっさりとした鶏がらスープに酒かすを加えることで、クリーミーな味わいになる。煮込んでいるので日本酒の風味は強過ぎず、酒が飲めない人でも楽しめる。

 山口さんは、45歳で脱サラし、焼き鳥屋を開いた。残っていた鶏で作った鶏がらスープを出したところ、「おいしい」と評判になり、ラーメン屋に転向。京都の冬の家庭料理として人気の「かす汁」から構想を得て、鶏がらスープに酒かすを合わせた「酒粕らーめん」を売り出したところ、人気に火が付いた。京都で20年働き、ラーメン店は息子たちに任せて沖縄へ。

 チャーシューにも鶏肉を使う。沖縄のジューシーも鶏がらスープで炊く。焼き鳥屋から出発したこともあり、鶏好きにはたまらない、鶏尽くしのメニューが並ぶ。

 比嘉集落には飲食店が少なく、オープン前から「京都のラーメン店が来るらしい」と話題になった。過疎化の問題を抱えるため、山口さんは「地域から期待の声もある。飲食で島を盛り上げたい」と話す。

 泡盛の酒かすを使った新商品も作ってみたいと言い、「泡盛とラーメンがコラボしたらどういう味になるだろう。協力してくれる酒造所を探しています」とアピールした。(中部報道部・又吉朝香)

 【お店データ】営業時間は午前11時半~午後3時。月・火曜定休日。電話090(6858)4190。営業の詳細はインスタグラムで。

美ら門扇

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