3度のバウンスバック 蝉川泰果が23歳バースデーに示した成長

23歳のバースデーラウンドは2アンダー「68」(撮影/田辺安啓(JJ))

◇米国男子◇ソニーオープンinハワイ 初日(11日)◇ワイアラエCC(ハワイ州)◇7044yd(パー70)

蝉川泰果はスタートの1番を含め、この日3つのボギーをたたいた。しかし、いずれも直後のホールでバーディを奪い返すバウンスバックを決めた。「自分のミスでボギーにしてしまったなってホールもあったんですけど、(それ以上に)バーディを獲ることを意識しているので」。気持ちを切り替え、前だけを見て2アンダー「68」でまとめた。

3つ目のボギーは後半17番(パー3)。順目で下りのラインを警戒した長いバーディトライは、強烈なアゲンストの風で3mもショートした。3パットボギーとなり、18番(パー5)は5mのバーディパット。ここでも風が気になって仕切り直した。

3度目のバウンスバックとなるバーディ締め(撮影/田辺安啓(JJ))

左に曲がるフック傾斜だったが、強い芝目が左から入り、風も左から。カップ際でスライスする複雑なラインを冷静に読み切り、カップ左ふちいっぱいを狙って沈めた。「その前の3パットがイヤなイメージの外し方だったので、18番は大きかった」とうなずく。

自らの攻撃力を生かす「バーディを1日4つ以上」の目標は、ハワイらしい風が吹くラウンドでも下方修正しなかったという。昨年1月にスポット参戦した「ファーマーズインシュランスオープン」最終日の苦い記憶がある。ツアー屈指のロングコース・トリーパインズGC サウスコースに風も吹きつけ、「79」と打ちのめされた。

「自分が『えぐいな』って思ったコース(コンディション)で、優勝したマックス・ホマ選手はすごいアンダーパー(66)で、松山(英樹)さんも猛チャージ(69)していた。(風で)あんまりスコアを落として…とかは考えず、目標は毎日一緒でいた方がいいかな、と」。PGAツアーのレベルの高さを目の当たりにして、悔し涙をのんだ経験をムダにはしない。

23歳のバースデーラウンドは上々の結果となった。「良かったです!」と笑った後で「もうちょっと貯金したかったな…」。海外ツアー初優勝を目標に掲げる2024年。貪欲に上を目指す。(ハワイ州ホノルル/亀山泰宏)

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