【台北共同】台湾総統選が13日投開票される。与党、民主進歩党（民進党）候補の頼清徳副総統（64）を、対中融和路線の最大野党、国民党の侯友宜・新北市長（66）と、野党第2党、台湾民衆党の柯文哲・前台北市長（64）が追う。中国との距離感が最大の対立軸。頼氏が逃げ切れば1996年に総統の直接選挙が実現して以降、同一政党が初めて3期連続で政権を担うことになる。3候補は12日、最後の訴えを行った。
頼氏が米国との連携強化で中国に向き合うと訴える一方、侯氏や柯氏は中国との対話の重要性を強調。3候補とも統一でも独立でもない「現状維持」の重要性を主張する立場では一致するものの、中国は選挙結果によって出方を変える構えで、東アジアの安全保障環境に影響しそうだ。
中国は頼氏を台湾独立派と見なし敵視。民進党政権による対中輸入規制への対抗策として、一部台湾製品への関税優遇措置を停止するなどし、揺さぶりをかけている。頼氏が当選すれば経済、軍事面での圧力を一層強める可能性が高い。
