齊藤未月は「大ケガの直後にも笑っていた…」永井秀樹氏が涙ながらに回想“あの痛みに耐えられる人はいないはず”

ヴィッセル神戸は12日に記者会見を行い、「湘南ベルマーレからMF齊藤未月を完全移籍で獲得した」と公式発表した。

昨季ヴィッセル神戸に期限付き移籍していた齊藤未月であるが、8月19日の柏レイソル戦で発生した接触プレーで足を負傷し、全治1年にも及ぶ重大な怪我を抱えることになった。

今冬はその期限付き移籍の契約が満了となるため去就が注目されていたが、最終的にはヴィッセル神戸が3年契約で保有権を獲得することになったという。

記者会見で「怪我をした瞬間のこと」について聞かれた齊藤未月は、以下のようにその際の感想を明かしていた。

「受傷した瞬間は、自分の足を見てもどういう状況かは掴めていなかったんですけど、重傷だということはすぐ分かりましたし、痛みも大きかったです。

それは理解していたんですけど、周りの人たちが悲観的な顔をしているのがあまり好きではなくて。ドクターにも選手にも『あんまり悲しい顔をして話さないでくれ』と伝えてました。

それくらい…切り替えはできていたというか。それでサッカーができるのかどうかはすぐにはわからなかったですけど、それが可能になるようにトライしていますし、周りの方もサポートしてくれています」

そして、ヴィッセル神戸のスポーツダイレクターを務めている永井秀樹氏は、全治1年の怪我を抱えた齊藤未月と3年契約を結んだ理由について聞かれ、以下のように話していた。

「プレー面はいまさら僕が言う必要もないくらいよくご存知で。ボール出しの能力だったり、ヴィッセルに来てからは更に攻撃時の判断などのレベルは上がったんじゃないかと感じています。

非常にあってはならないような残念な怪我ではありました。あのまま進んでいればA代表も見えていたのかなと思いますし、未月選手は日本の宝物だなと思います。もちろん未月だけではなく、ヴィッセルには宝物の選手が多すぎて幸せなんですけど。

そして、やはり未月の人間性というところは本当に…頭が下がるというか、さっきも話を聞いていて…(涙を浮かべて言葉に詰まる)。

あれだけの大怪我をした後、社長と自分が病院に行った時、彼は笑っていたんですね。

足はとんでもない状態になっていて、ドクターに聞いても『この痛みに耐えられる人はいない』と。ただ三月は『永井さん、そんな悲しい顔をしないでくださいよ、僕は大丈夫ですよ。絶対復帰しますよ』と。

未月を獲得するときにも…本人が覚えているのかわからないけど、『とにかく面構えがいいね』という話をした。プレー面もそうですけど、人間的にも素晴らしい。生まれ変わったら見習いたい、齊藤未月くんになりたいくらいです」

齊藤未月も頑張れ!「靭帯損傷から世界最高レベルに復活した9選手」

柏レイソル戦で膝を破壊されるような負傷をしながら、その後の病院で笑って話していたという齊藤未月。その姿に永井秀樹氏も感動を覚えていたようだ。

© 株式会社ファッションニュース通信社