【プレミアリーグ第21節プレビュー】今週末に2つのビッグマッチ! 2週に渡る分散開催

今週末に2つのビッグマッチ開催[写真:Getty Images]

年末年始に開催された後半戦初戦となった第20節では、首位のリバプールを筆頭にアストン・ビラ、マンチェスター・シティ、トッテナムといった上位陣が順当に勝ち点3を奪取。一方で、今季初連敗のアーセナルは4位に転落した。

FAカップ初戦を挟んでの開催となる第21節は2週に渡る分散開催に加え、今冬の移籍市場開幕による新戦力、アジアカップ、アフリカ・ネーションズカップによる一部主力の不在と幾つかの要素によってより注目が集まる一節となる。

今週末開催試合ではマンチェスター・ユナイテッドvsトッテナム、ニューカッスルvsマンチェスター・シティの2つのビッグマッチに注目が集まるところだ。

8位のマンチェスター・ユナイテッドは前節、ノッティンガム・フォレスト相手に敵地で1-2の敗戦。2023年の戦いを厳しい敗北という形で終えた。2024年初戦となったFAカップでは3部のウィガン相手に決定力不足を露呈しながらも、2-0で快勝し白星スタートを飾った。ただ、11月の3連勝以降は連勝がなく快勝した次の試合の戦いに問題を抱えるテン・ハグのチームは、前回対戦で0-2の敗戦を喫した相手に苦戦必至だ。代表チームとの協議の結果、守護神オナナの出場の確約に加え、DFマグワイア、ショー、MFエリクセンの3選手に復帰の目途が立ったことは朗報だが、サー・ジム・ラトクリフ氏の現地観戦も伝えらえる新年最初の対ビッグ6戦で結果を残せるか。

対する5位のトッテナムは前節、満身創痍の状況のなかでリーグ7戦無敗の難敵ボーンマスに3-1の勝利を収め、前々節のブライトン戦の敗戦からのバウンスバックに成功し、2023年の戦いを終えた。さらに、直近FAカップではFWソン・フンミン、MFサールら代表戦参戦組が離脱したなか、バーンリー相手にDFペドロ・ポロの鮮烈な一撃で1-0の勝利。新年を幸先よくスタートした。また、例年動きの遅さが顕著な移籍市場の動きでは補強急務のセンターバックにドラグシン、手薄な前線にヴェルナーと早くも2人の新戦力を補強。この試合では負傷明けのDFファン・デ・フェン、ロメロらと共に早速出番が与えられるかもしれない。主力を欠く中盤の構成力、エース不在の決定力にやや不安を抱える状況だが、上位戦線に踏みとどまる上で赤い悪魔相手の勝利は必須だ。

9位のニューカッスルは年末年始にかけて公式戦4連敗と厳しい戦いが続いたが、直近のFAカップでは8年ぶりに実現したサンダーランドとのタイン・ウェア・ダービーに3-0で完勝。2部のブラックキャッツとの実力差は歴然ではあったが、この新年初勝利を後半戦の巻き返しに繋げたいところ。完全に復調しつつある3連覇中の王者相手に厳しい戦いが想定されるが、熱狂のセント・ジェームズ・パークのホームアドバンテージを活かして勝ち点を獲得したい。

一方、クラブ・ワールドカップ優勝後はリーグ連勝と本来の調子を取り戻した3位のマンチェスター・シティ。前節は最下位のシェフィールド・ユナイテッド相手に2-0と危なげなく勝ち切った。さらに、直近のFAカップでは2部のハダースフィールド相手に5-0の完勝。戦列復帰を果たしたMFデ・ブライネ、FWドクが早速決定的な仕事を果たしたほか、目下絶好調のMFフォーデン、FWアルバレスの活躍が光った。難敵相手のアウェイゲームでリーグ3連勝を狙う一戦では体調不良明けのMFベルナルド・シウバらの復帰に加え、FWハーランドに関してもわずかながら復帰の可能性が出てきており、有事の展開にも十二分に対応できる状況だ。

2023年最終戦となったバーンリー戦をMFドウグラス・ルイスの土壇場のPKによるゴールで3-2と勝ち切り、2位に浮上したアストン・ビラ。直近のFAカップでもミドルズブラに後半終盤のゴールで勝ち切ったエメリのチームは、直近の公式戦1分け4敗の5戦未勝利と急失速する17位のエバートン相手のアウェイゲームで連勝を狙う。現状の両者のパフォーマンスを鑑みれば勝ち点3の可能性は高いが、難所グディソン・パークで苦手とするアウェイゲームのパフォーマンス改善といきたい。

10位のチェルシーは直近の公式戦でアーセナル、リバプール相手に善戦した曲者フルアムとのロンドン・ダービーに臨む。2023年最終戦となった前節のルートン・タウン戦は3点リードから1点差に迫られる拙い試合運びも、3-2で競り勝って連勝締め。新年初戦のFAカップのプレストン戦でも格下相手に4-0の快勝を収めた。ただ、直近のEFLカップ(カラバオカップ)準決勝1stレグでは2部のミドルズブラ相手に敵地で0-1の敗戦を喫した。決定力不足を除けば試合内容にそこまで悲観すべき点はなかったが、前節でアーセナルに説得力のある勝利を収めたフルアム相手に隙を見せれば同じ轍を踏む可能性は十分にある。ボロ戦では偽CF起用の影響などもあり、珍しくアタッキングサードで冷静さを欠いたMFパーマーの奮起に期待したいところだ。

新戦力補強、負傷者の状況によって今後大きな変化も見込まれるが、来週末に開催される5試合ではボーンマスvsリバプール、アーセナルvsクリスタル・パレスの2カードに注目。

年末年始にかけて公式戦4連勝と絶好調の首位リバプールは、リーグ戦8試合ぶりの敗戦からのバウンスバックを図る12位のボーンマスと対戦。前節、FWサラーの2ゴールの活躍などでニューカッスルに4-2の快勝を収めたクロップのチームは、以降のFAカップではアーセナルに2-0、EFLカップ準決勝1stレグではフルアムに2-1と好調を維持。サラーに加えてMF遠藤航を欠くなか、前線と中盤では試行錯誤の選手起用が続くが、コンディションを上げるFWジョタらの活躍によって大きな問題は生じていない。小休止を経て臨むチェリーズとの一戦では勤続疲労の主力、負傷明け組のコンディションをうまくコントロールしながら勝ち切りたい。

ウェストハム、フルアムとのロンドン・ダービーで今季初のリーグ戦連敗を喫して4位転落となったアーセナルは、さらに前述のFAカップでのリバプール戦の敗戦によって公式戦3連敗。泥沼の状況で小休止に入った。その調整期間で心身ともにリフレッシュを図るなか、14位のクリスタル・パレスとの三度のロンドン・ダービーで連敗ストップを狙う。一部でストライカー補強の可能性も取りざたされるが、FFPの問題を考えれば後半戦も現有戦力での戦いが濃厚だ。そういったなか、来週のイーグルス戦では前線の配置や戦術面のマイナーチェンジを含め指揮官アルテタの采配に注目したい。なお、DFジンチェンコ、FWガブリエウ・ジェズスの2選手に関しては復帰の目途が立っているようだ。

その他ではMF三笘薫が引き続き不在となる7位のブライトンは、曲者のウォルバーハンプトンと、上位浮上を狙う6位のウェストハムは最下位のシェフィールド・ユナイテッドと対戦。いずれも対戦相手を考えれば勝ち点3を獲得したい。また、いずれも降格圏に沈むバーンリーvsルートン・タウンは残留争いの行方に影響を与える重要な一戦となる。

◆プレミアリーグ第21節
1/12(金)
《21:30》
バーンリー vs ルートン・タウン

1/13(土)
《21:30》
チェルシー vs フルアム
《26:30》
ニューカッスル vs マンチェスター・シティ

1/14(日)
《23:00》
エバートン vs アストン・ビラ
《25:30》
マンチェスター・ユナイテッド vs トッテナム

1/20(土)
《21:30》
アーセナル vs クリスタル・パレス
《26:30》
ブレントフォード vs ノッティンガム・フォレスト

1/21(日)
《23:00》
シェフィールド・ユナイテッド vs ウェストハム
《25:30》
ボーンマス vs リバプール

1/22(月)
《28:45》
ブライトン vs ウォルバーハンプトン

© 株式会社シーソーゲーム