災害ごみ「まんで片付く」 七尾、羽咋に仮置き場 〈1.1大震災〉

仮置き場に持ち込まれた災害ごみ=12日午前10時35分、七尾市石崎町

 石川県内の被災自治体では初となる災害ごみの仮置き場が12日、七尾市と羽咋市に開設された。復旧作業を進める住民が粉々になった瓦やブロック片、家電などを次々と持ち込み、「まんで(ものすごく)家が片付けられる」と安堵(あんど)の声を漏らした。激しい揺れで大量のがれきが発生、多くの家財道具が破損しており、週末にかけて搬入量が増加するとみられる。

 七尾市は石崎町の能登香島駐車場に仮置き場を設けた。訪れた市民が、可燃粗大ごみ、木くず、ガラス・陶磁器・瓦くず、小型家電など10種類の分別スペースを順番に回って運び込んだごみを下ろした。

 大型のたんすのほか、テレビ、電子レンジなども目立ち、近隣住民の割れた皿やガラスなども一緒に持ち込んだ福田教導さん(80)=深見町=は「車が壊れた人や高齢者もおるし、地域で助け合わんといかん。何回も往復しないと」と仮置き場を後にした。

 市は混雑を避けるため、奇数日は旧七尾市、偶数日は旧3町の住民を対象にすると区分けしている。開設時間は午前9時~午後4時で、市担当者は「日常の生活を取り戻すためにも積極的に利用してほしい」と話した。

 羽咋市が鶴多町の羽咋運動公園駐車場に設けた仮置き場にもコンクリート・ブロック片、割れた石灯籠などを積み込んだ車両が順番に乗り入れ、市職員らが対応に追われた。

 宝達志水町は14日に町民センターアステラスの駐車場に仮置き場を設ける。

  ●長野のチーム協力 羽咋

 羽咋市の災害ごみ仮置き場では、長野県の県・市町村職員で構成する支援チームが車両の誘導やごみを下ろす作業に従事し、人手不足をカバーしている。

 この震災で羽咋市は長野県の支援を受けている。5日に羽咋入りした情報連絡員(リエゾン)の県職員2人が、必要な人員など羽咋市のニーズを把握し、長野側と調整。災害ごみの受け入れ業務には10人の派遣が決まった。

 14日に始まる住宅被害認定調査や罹災証明書発行の窓口業務にも10人が派遣される。1週間で新たな派遣職員と交代する計画だ。

 長野県は水害など災害対応の経験が多く、長野の職員からは人的支援だけでなく、住民への広報や生活再建支援制度の準備など「参考となる助言をもらった」(岸博一市長)という。

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