〈1.1大震災〉地震に負けず励まし合い 共通テスト開始、被災生徒

緊張した面持ちで試験会場に向かう受験生=富大五福キャンパス前

  ●県内4大学5会場、余震に恐れも「やれることやった」

 大学入学共通テストは13日、富山県内の4大学5会場を含む全国679会場で始まった。1日の能登半島地震で自宅や近所に被害があった受験生もおり、思うように勉強時間が取れない中で「仲間と励まし合ってここまでこれた」「両親の支えのおかげ」と試験を受けられる状況に感謝し、志望校合格への最初の関門に挑んだ。

 富山県内では昨年より218人少ない4567人が出願し、富大五福キャンパス、同杉谷キャンパス、県立大射水キャンパス、高岡法科大、富山国際大呉羽キャンパスで、地理歴史・公民と国語、外国語の試験に臨んだ。

 試験前の追い込み期間を襲った地震は、受験生の心身に影を落とした。富山東高の女子生徒は「地震は本当に怖かった」と身を震わせ、富山高の男子生徒は「小さな揺れでも反応するようになってしまった」と繰り返す余震への恐れをのぞかせた。

 地震で大きな被害を受けた氷見市や高岡市伏木地区では、自宅が断水した生徒や、避難所に一時避難して勉強時間が取れなかった生徒もいた。氷見高の女子生徒は断水が解消するまで風呂に入るため市外に行っていたといい「苦しいこともあったが、夜中に勉強して臨んだ」と話した。

 最終日の14日は理科と数学の試験が行われる。伏木高の男子生徒は「仲間と励まし合ってここまでこれた。明日も頑張りたい」、氷見高の女子生徒は「一番大事な時期に、よりによってと思ったが、やれることはやった」と前を向いた。

 地震に被災して共通テストを受けられない受験生は27、28日の追試験が受けられる。富山県の受験生は京都府の京都工芸繊維大学が追試験会場に指定されているが、京都で受験するのが困難な理由がある場合、特例として金大角間キャンパスに会場を変更することができる。

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