焼き芋で珠洲応援 移動店「越中芋騒動」 特産「カボチャイモ」販売

 富山県内で移動販売する焼き芋店「越中芋騒動」の松下兼久店主(舟橋村仏生寺)は13日、射水市太閤山の「富山椅子張工房」敷地内で、珠洲市の特産「カボチャイモ」の焼き芋を販売した。伝統の芋の魅力を広く伝え、売り上げの一部を寄付するなどして、能登半島地震で大きな被害を受けた珠洲の復興に一役買う。

 カボチャイモはサツマイモの一種で、奥能登に古くから伝わる品種とされる。皮は赤褐色、中身は黄金色で、軟らかく優しい甘さが特徴だ。

 松下さんは、つぼを使って芋を蒸し焼きする「つぼやきいも」を売っている。2021年に珠洲市にある炭焼き窯に炭焼きの修行に赴いた際、道の駅を通じて現地のカボチャイモ生産者と交流を持つようになった。

 地震の影響で、修行した炭焼き窯が操業不能になったと聞いた。カボチャイモ生産者とも連絡が取れない状況が続いており、「無事でいてほしい」と願う一方で、自分にできる支援はないかと考え、カボチャイモの焼き芋販売を企画した。昨年11月に仕入れ、熟成させていた芋を使うことにした。

 13日は、カボチャイモを買い求める客でにぎわい、用意した約30本はわずか40分で売り切れた。金沢産の五郎島金時など全7種類の焼き芋を販売した。

 松下さんは「焼き芋を通して、珠洲がすてきな土地だと知ってもらい、思いを寄せるきっかけにしてほしい」と話した。

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