岩手県内の人身海難事故、過去5年で最多 釣り中の転落後絶たず

 岩手県の釜石海上保安部(虻川浩介部長)は2023年の県内の海難発生状況(速報値)をまとめた。人身事故に遭ったのは34人(22年比9人増)で過去5年間で最も多く、死者・行方不明者は15人(同2人増)だった。釣り中の海中転落が後を絶たず、命を守る行動の徹底を呼びかける。

 事故種別は海中転落が17人と半数を占め、次いで自殺が6人だった。活動形態別ではマリンレジャーの海浜事故は5人(同3人増)。内訳は4人が釣り中の海中転落でいずれもライフジャケット未着用だった。

 船舶海難は22年と同じ14隻で死者・行方不明者は0人(同5人減)だった。用途別では漁船が7隻で半数を占めた。海難の種類はエンジン不具合など機関故障による運航不能が6隻と最も多かった。

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