遠洋実習をボクシングの糧に 宮古水産・佐々木愛世さん

実習の経験をボクシングの糧にすると誓う佐々木愛世さん

 岩手県の宮古水産高(伊東道夫校長、生徒119人)の実習生15人は19日、宮古港藤原埠頭(ふとう)から約2カ月間の遠洋航海に出る。ボクシング部に所属する海洋生産科船舶運航コース2年の佐々木愛世(あいせい)さんもその一人。新人大会で県王者となったが、日程が重なったためやむなく東北大会の出場を断念した。それでも「2カ月の経験を競技の糧にする」と文武両道を誓う。

 船舶運航に必要な知識、技術を学び、小型船舶操縦士や海技士の免許取得を目指す佐々木さん。保育園児の頃からレスリングに熱中し、格闘技のセンスを磨いた。高校進学と同時に異なる競技の道へ。週6日の練習に打ち込み、県高校新人大会(2023年10月)の1部ライト級で優勝した。

 仙台市で開かれる東北大会は今月下旬。「辞退を悔やんでも仕方ない」と前向きで実習中も自主トレーニングに励むつもりだ。「制限された生活でしかできない経験もあり、精神面を鍛え上げたい。卒業するまではチャンピオンベルトを渡さない覚悟で構える。3年生で迎える県高校総体で優勝し、インターハイの舞台を目指す」と拳を握る。

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