水がジャーにほっ、卒業式できるかな…避難所で聞いた今の思い

ビニールハウスを避難所に支え合う住民=珠洲市三崎町粟津

 能登半島地震の被災地を北國新聞社記者が巡り、皆さんの思いを聞くコーナー「のとはやさしや」を始めました。つらい状況の中でも、周囲を気遣い、助け、励まし合う能登の人々。皆さんは今、何を思い、どんなことを求めていますか。被災者の声や被災地へのエールを紹介します。

 ◇穴水町上中集会所▽男性(69) 妻や息子、孫ら計8人で避難しました。集会所の雨漏りがひどく、男性陣で力を合わせてブルーシートを張りました。遠方に暮らす親戚らから支援物資が続々と集まり、女性陣が炊き出しをしています。下水管が詰まった時は住民一丸で地面を掘り、し尿を取り除きました。「底力の見せ時」だと助け合って1日1日を乗り切っています。

 ◇能登町矢波地区集会所▽女性(89) ご近所さん(90)と過ごしています。飲み水も食事も用意してもらい、ありがたい一心です。県外の娘から毎日朝晩に連絡がきて、不自由なく暮らせています。最近一番うれしかったのは、11日に避難所に水道が通ったこと。トイレの水がジャーッと流れた時は、本当にほっとしました。

 ◇輪島市鵠巣小▽名古屋市の女性(34) 夫の実家に帰省中、激しい揺れに見舞われました。今は避難所の運営チームの一員として情報整理などに当たっています。孤立状態が続く避難所で、住民みんなが協力して立ち向かっています。奥能登に暮らす人たちの強い絆を日々感じます。

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