【中国】アウトドアに日本製品を、北京で各社PR[製造]

日本のアウトドア用品メーカーが、中国での事業展開を加速させている。北京市で12~14日に開かれた展示会では、日本製の品質や機能性などの魅力をアピール。スキーをはじめとしたウインタースポーツやキャンプなどアウトドア人気の高まりという追い風が吹く中で、メーカー各社はPRを強める。

北京市で開かれたウインタースポーツとアウトドア用品の大型展示会「ISPO北京2024」。日本貿易振興機構(ジェトロ)のブースでは、日本のメーカーなど14社が製品を紹介した。

アウトドア用品大手モンベル(大阪市)はトレッキングやスキーのウエア、スノーシューズなどのアイテムを展示した。中国では新型コロナウイルス禍が収まった昨年から若者を中心にアウトドアの人気が一段と高まり、ウインドブレーカーや魔法瓶が売れているという。担当者は「今年から店舗の拡大に加え、オンライン販売も強化していく」と意気込んだ。

「スワンズ」ブランドのゴーグルを手がける山本光学(大阪府東大阪市)は、くもり止め加工を施したスキー・スノーボード用のゴーグルやヘルメットを並べた。同社担当者は「中国はスキー場の整備も進み、ウインタースポーツの伸びしろがある」と期待を寄せる。

「ユニフレーム」ブランドのアウトドア用品などを展開する新越ワークス(新潟県燕市)は、中国限定で展開する湯を沸かすケトルや通常より大きいサイズのテーブルなどキャンプ用品を中心にアピールした。燕市は金属加工が有名で、同社の営業担当者は「商品の8~9割は日本で生産し、中国でも品質を認めてくれる顧客が増えている」と話し、今年からの3年間で積極的に中国事業を進めていく考えだ。

ブースを訪れた北京出身の20代男性は、年に4、5回はキャンプに行くといい「日本の製品はデザインがかっこよく、品質も良いので使っている」と話した。

中国では北京冬季五輪を契機にウインタースポーツの人気が高まり、各地でスキー場の整備が進む。新型コロナ禍でキャンプに目が向き、中国市場調査会社の艾媒諮詢(IIメディアリサーチ)によると、キャンプ市場は2025年に2,483億元(約5兆円)となり、22年から2倍以上に拡大する見通しだ。

北京市でアウトドア・ウインタースポーツの展示会が開かれ、ジェトロのブースでは日本メーカーなど14社が商品を出展した=12日、北京市

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