〈1.1大震災~連載インタビュー(3)泉谷珠洲市長〉断水解消へ新浄水場 「被災地復旧の光に」

 泉谷満寿裕珠洲市長は北國新聞社のインタビューに応じ、地震による大規模断水の解消へ、被災した浄水場の敷地内に大型の装置を設け、新たな浄水施設として早急に給水を再開させる考えを明らかにした。「水と電気のライフラインの一日も早い復旧にこぎつけ、被災地の希望の光にしたい」と語った。停電については、土砂崩れが多発した外浦沿岸を除く広い範囲で早期に復旧できるとの見通しを示した。

 能登半島地震は15日で発生から2週間。今も被災地では広い範囲で断水が続いている。珠洲市でも大部分の世帯の給水を担う宝立(ほうりゅう)浄水場が損壊し、14日時点で市内ほぼ全域の約4800戸で断水、長期化が避けられないとみられている。

 泉谷市長は「長く避難生活を送る市民にとって、いつ断水が解消されるか見通せないのが最もつらいことだと思う」と述べ、被害があった浄水場を長期間かけて修復するよりは、コンパクトで簡易的な浄水装置を導入し、早急に通水させる意向を示した。新たな装置は宝立浄水場敷地での開設を予定し、資材運搬に向け道路整備の準備を終えた。

 浄水装置が新設されれば、川の水をくみ上げ、1週間ほどで水道水にできるとし「水を作って、送ってみて、水道管の状況をチェックしながら給水する。できるだけ早く着手したい」と強調した。

 14日時点でも2千戸以上で続く停電については「大きな土砂崩れが起きた外浦は難しいかもしれないが、ほかのエリアは近く復旧することができるのではないか。北陸電力に頑張ってもらっている」と話した。

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