〈支え合ってともに 1.1大震災〉高3受験生へ支援の輪広がる 柴田弁護士、本紙に投稿で発信

トラックから布団を降ろし、宿泊場所に運び込む関係者=金沢市額新保

  ●加賀屋から布団届く

 能登半島地震で被災した高校3年の受験生を支援する動きが金沢で広がっている。阪神大震災を経験した柴田未来弁護士が、本紙「地鳴り」欄への投稿で受験生を受け入れる意向を発信したところ、多くの協力の申し出があった。先に支援に動いていた学習塾とも協力し、計50人程度の宿泊場所を市内に確保。大学入学共通テストが終わった14日には七尾市和倉温泉の旅館「加賀屋」から大量の布団が届いた。

 14日午後、荷台に布団をいっぱい積み込んだトラックが額新保の住宅に到着した。関係者はほっとした表情で布団を降ろし、家の中に運び込んだ。

 運ばれてきたのは加賀屋で使っていた布団55組。額新保の家のほか、市内の2軒の住宅にも運び込まれた。14日以降、被災した受験生の受け入れが始まる。

 柴田弁護士は11日付朝刊の「地鳴り」で、共通テストを金沢で受ける受験生に向けて「金沢にとどまって勉強できる環境を準備します。安心して、金沢で勉強してください」と呼び掛けた。見切り発車だったというが、13日付本紙時鐘でも紹介され、支援の輪が広がった。

 既に受験生の受け入れに取り組む学習塾「スタディハウス」にも連絡を取り、協力体制を構築。空き家など3軒の宿泊場所を確保した。

 困っていたのが寝具の用意だった。地震の影響で休業中の加賀屋に無理を承知で依頼したところ、布団の無償提供を快諾してもらえたという。

 柴田弁護士は「人生を左右する大学受験に、落ち着いて取り組める環境を整えてあげたい。協力してくれる方が多くて感謝している」と話した。問い合わせは、しばた未来法律事務所まで。

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