山地酪農の実現へ牧場跡地を整備 遠野の地域おこし協力隊員

山地酪農を始めるため、大洞牧場跡地を整備している市地域おこし協力隊の戸田苑美さん(左)と鴇沢健太さん

 岩手県の遠野市地域おこし協力隊員の戸田苑美(そのみ)さん(25)=埼玉県日高市出身=と鴇沢(ときざわ)健太さん(42)=東京都板橋区出身=は山地酪農に取り組むため、同市附馬牛(つきもうし)町の大洞牧場跡地12ヘクタールを整備している。草を刈り、電気牧柵にするくいを打ち込み、監視小屋などを改修。5月から乳牛5頭の放し飼いを始める予定だ。

 クルミやミズナラ、野バラなどが生い茂る現地。寒さの厳しい日も午前8時半から日没まで、チェーンソーや草刈り機を手に作業道周辺の木を伐採し、草を刈り続ける。

 戸田さんによると、20年以上前には草原が広がっていたという。放牧酪農によって山地の維持や再生に取り組もうと2023年10月に始動。丸太に防腐剤を塗り、約150本のくいも作った。監視小屋の床は張り替え、簡易牛舎を搾乳棟に改修した。当初は機械もなく、大鎌やのこぎりで作業したが住民の助けで草刈り機などが導入された。

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