新NISAで人気を二分する【オルカン】VS【S&P500】の特徴をわかりやすく解説!

新NISAが始まり最新の動向を調べてみると、松井証券においては、1月9日時点での投資信託・月次1位はeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)でした。2位はeMAXIS Slim米国株式(S&P500)です。いずれも外国株式型の投資信託で人気を二分しています。


人気が伸び続けているオルカン

QUICK資産運用研究所の調べでは、1月9日のeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)、通称“オルカン”の流入額は推計で1,013億円で、日次の流入額が1,000億円を超えるのは2018年10月の設定以来初めてとのことだといいます。さらに、1月11日時点で年初来の資金流入額は1,702億円にのぼり、純資産総額(残高)が初めて2兆円を突破したようです。2023年4月14日に初めて残高が1兆円に到達してから、1年足らずで2倍になりました。

同商品は昨年9月に信託報酬を年率0.1133%(税込)から0.05775%(税込)に引き下げられ業界最低水準となっています。

オルカンは、この商品1本で全世界の株式に国際分散投資できるインデックスファンドです。 呼び名の通り銘柄が全世界に分散されているため、保有する株式の偏りによるリスクが低い点が魅力です。日本を含む23の先進国・地域と24の新興国・地域の株式で構成されています。

先進国株式約84%、新興国株式約10.4%、国内株式が約5.5%の比率です(2023年11月末)。 先進国株式では米国株式の比率が6割強、欧州株式が2割弱の内訳です。最近人気のインドも1.6%あります。組み入れ銘柄はアップル(4.5%)、マイクロソフト(4%)、アマゾン(2%)、エヌビディア (1.8%)、アルファベット(1.5%)を中心に2,831銘柄に分散投資を行っています。

米国の優良企業で構成されるS&P500

一方2位のS&P500(S&P500種指数)は、米国の代表的な株価指数です。S&P500は米国株式市場全体の約80%にも及ぶ時価総額比率を占めています。そのため米国市場全体の主軸となっている指数といえます。組み入れ銘柄は市場規模や流動性業種等を考慮して選ばれ、ニューヨーク証券取引所やNASDAQに上場している約500銘柄を時価総額で加重平均し指数化したものです。

S&P500の銘柄として選ばれるにはクリアしなければならない条件がいくつかあり、かなり厳しい整備網が敷かれています。例えば時価総額は82億ドル以上、浮動株比率は50%(41億ドル)以上でなければならない、四半期連続で黒字の利益を出しているなどといった内容です。これらを満たしている優良企業のみが選出されています。

最新の月次報告から組み入れ上位銘柄は、マイクロソフト(7.2%)、アップル(7.2%)、アマゾン(3.4%)、エヌビディア(3.1%)、アルファベット(2.4%)などといった日本でもお馴染みの米国企業が名を連ねています。なお、現在の組み入れ銘柄数は503です。この指数をチェックしておけば、概ね米国の経済状況が把握でき、世界の時価総額の約6割を占めているのは米国市場ですので、大まかに世界経済を反映していると言えるでしょう。

リスク分散ならオルカン、パフォーマンスならS&P500?

2商品を比較すると構成銘柄数に大きな違いがあります。オルカンは2831銘柄なのに対し、S&P500は503銘柄です。オルカンは全世界に分散投資し、リスクを最小限に抑えているように感じます。

ただし、直近のパフォーマンスはS&P500の方が優位となっています。米国市場の株価が堅調している事が要因です。ただ、2商品とも米国株に左右される事は間違いなさそうです。今後、米国株が下落した場合にどのような動向が見受けられるのかにも注目です。

なお、松井証券によれば、この2商品以外では高配当銘柄の人気が高いようです。中でも、JT(2914)や三菱UFJ(8306)、三菱商事(8058)などの個別株に資金流入があったようです。

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