楽器や声で即興音楽「音遊びの会」 知的障害者ら自由に表現

即興で新しい音楽を次々と生み出した「音遊びの会」のライブ=長崎市、チトセピアホール

 知的障害のある人を含む即興音楽集団「音遊びの会」(神戸市、飯山ゆい代表)のライブが8日、長崎県長崎市千歳町のチトセピアホールで開かれた。楽譜も、決まり事もないステージで、楽器や自身の声で思いのままに表現。観客は次々と生まれる新しい音楽を堪能した。
 同ホールの自主事業。同会の活動に迫るドキュメンタリー映画「音の行方」(2022年)を上映、会に密着し映像を撮りためた野田亮監督のトークに続いてライブを開催した。
 知的障害のある男女3人や音楽家の大友良英(ギター)らメンバー6人が登場。ドラム、ギター、トランペット、マイクパフォーマンスなどで自由に演奏すると、心地よい音楽となって会場を包んだ。客席からも障害者らが飛び入り参加し一体感が生まれた。演奏中に何度か音が止まる瞬間があったが、その静けさも次にどんな音が生み出されるのか楽しみに待つ時間となった。
 同会は知的障害のある人や即興音楽家らが集まって月2回、音楽セッションなどを中心に活動。映画はメンバーの日常生活やセッションの様子、保護者らのインタビューなどで構成している。

会場とのトークを繰り広げる野田=長崎市、チトセピアホール

 野田監督は取材に対し「彼らは単純に表現者として才能豊か。一緒に何かを作りたいと思って撮影を始めた。映画では人の生き方のようなものも描けており、生き方に迷っている人にも見てほしい」と語った。

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