「ケアラー」を地域社会で支えよう 長崎県シンポジウムで条例や取り組み紹介

ケアラーを地域社会で支える仕組みづくりを考えたシンポジウム=県庁

 家族らの介護や日常の世話を無償で行う「ケアラー」を地域社会で支える仕組みについて考えるシンポジウムが13日、県庁であり、県内で支援に携わる4人のパネリストや有識者らの話に約130人(オンライン含む)が聞き入った。
 長崎県主催。本県ではケアラーが安心して生活できる社会の実現を目指し、昨年4月に「ケアラー支援条例」を施行。条例制定に動いた江真奈美県議が講演し「ケアラーに条例の存在をまず知ってもらい、“社会のみんなで支えるよ”と広めてほしい」と呼びかけた。
 パネルディスカッションでは、介護離職の問題に触れ、仕事と介護の両立を支援する「ワークサポートケアマネジャー」を紹介。幅広く子どもと関わることで、ヤングケアラーの存在に気付く民間施設「まつなぎや」(大村市)の取り組みも報告した。
 日本ケアラー連盟代表理事の堀越栄子氏による基調講演もあった。堀越氏は「障害者、育児と介護の同時進行など多様なケアラーの特徴を踏まえた支援が必要」と述べ、課題や現状を報告した。

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