八木橋の階段で“怪談”…熊谷在住の唐﨑瑞穂さんが作品展 地元に由来の「おばけ」や「五家宝チャート」も

階段ギャラリーで展示会を開いている唐﨑瑞穂さん

 埼玉県熊谷市仲町の八木橋百貨店1階と地下をつなぐ階段ギャラリーで「眠れぬ夜のKAIDAN(階段)おばけ 唐﨑瑞穂展」が31日まで開かれている。 

 唐﨑瑞穂さんは、同市在住で武蔵野美大卒業のイラストも描く編集デザイナー。階段と怪談をかけたユニークな作品を展開している。

 唐﨑さんは「熊谷染継承の会」を受講中で、手描き友禅の技術を基に染めた絹をぬいぐるみにした「染めぐるみ」を今回の個展のために考案した。地元の同市本石、松岩寺の除夜の鐘をモチーフに「除夜の鐘から数時間後のいつもの朝の鐘おばけ」をはじめ、「からっ風おばけ」「五家宝おばけ」、「鏡餅おばけ」など発想豊かに伝統文化も取り入れる。    2012年に初版された、五家宝がテーマの本「熊谷帖」(税込み800円)も全ページをパネルに拡大して展示する。五家宝を扱う全店舗の食べ比べデータ、五家宝のカラーチャートなどが一目で分かるようにしている。

 「熊谷市五家宝屋絵圖」はタペストリーは横2メートル、縦1.4メートルの作品。熊谷駅北口にある吉田初三郎の鳥瞰図を参考に手書きで描いた。「さがしてみよう、北条堤と旧中山道と一番街」のタペストリーは文化と歴史が詰まり見応えのある内容となっている。

 唐﨑さんは、「イラストマップは全部で4種類あり、一つ一つの情報量が多いので期間中に何度でも来てじっくり見てほしい。3階で『熊谷帖』も期間限定で販売しているので購入を検討していただきたいと思う」と話していた。

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