盛岡信用金庫の本店を観光資源に 店舗を移し文化財として保存

盛岡信金が観光資源としての保存活用を検討している本店=盛岡市中ノ橋通

 盛岡信用金庫(浅沼晃理事長)は、1927(昭和2)年に完成した盛岡市中ノ橋通の本店を文化財として保存し、観光資源としての活用を計画している。日本を代表する建築家葛西萬司(同市出身)が手がけ、歴史的価値が高いと判断。建物の見学だけでなく、岩手ゆかりの芸術家の作品展示なども検討している。本店機能の移転などが必要となるため、今後10年スパンで順次取り組んでいく。

 建物外観は装飾が施された花こう岩の白い壁面と、存在感ある6本の列柱。内部はアールデコ様式を反映した照明器具、カラフルなステンドグラスや石こうレリーフなどが豪華に彩る。旧盛岡貯蓄銀行の店舗として建築され、その後の銀行合併で岩手殖産銀行(現岩手銀行)に所有が移り、58年に盛岡信金が譲り受けた。市の景観重要建造物に指定されている。

 盛岡信金は本店と同居する本部機能を年内に、複合商業施設monaka(モナカ、6月開業予定)4階へ移転する。当面、本店の営業は継続するが、別の場所への移転を今後検討し、併せて本店の観光資源化の検討を進める方針。

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