山形大、研究シーズ集をオンライン公開 277件、全学部に対象拡大

山形大が公開している研究シーズ集の1ページ(同大ホームページより)

 山形大は、多彩な研究者の取り組みを発信しようと、全学部を網羅した「研究シーズ(種)集」をオンラインで公開した。テーマごとに成果や内容が分かりやすくまとめられている。同大は、自治体や企業との連携を促す架け橋としての役割を期待している。

 同大は人文社会科、地域教育文化、理、医、工、農の6学部を備える東日本有数の総合大学。これまで工、農の2学部でシーズ集を公開していたが、新たな技術開発や事業創出などに結び付けようと全学部を対象とした。

 現在公開されている研究は277件。「ライフサイエンス」「人文・社会」といったカテゴリーや、キーワードで検索できる。

 例えば「防災」で検索すると▽家庭科教育で取り組む防災教育プログラム開発(石垣和恵准教授)▽杭基礎建物の損傷メカニズムと耐震設計の高度化(三辻和弥教授)▽子ども環境と復興まちづくり(佐藤慎也教授)―など7件に絞り込まれる。教育や建築などの分野で防災に関連する研究にアクセスできる。

 研究者の顔写真や連絡先に加え、「積極的に産官学連携に取り組んでいる」「地域の身近な防災教育への協力も可能」といったアピールポイントも添えられている。

 同大の飯塚博理事(研究、産学連携担当)は「いろいろな人に読んでほしいので専門的な言葉を使わない説明を心がけている。共同研究や講演依頼、地域の課題解決のための参考資料として活用してほしい」と話している。研究内容は随時追加される。アクセスは同大ホームページから。

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