「まだ新しい顔があるなんて」パク・ソジュン、イ・ビョンホンの演技に刺激受ける『コンクリート・ユートピア』撮影秘話

『コンクリート・ユートピア』© 2023 LOTTE ENTERTAINMENT & CLIMAX STUDIO, INC. ALL RIGHTS RESERVED.

イ・ビョンホン、パク・ソジュン、パク・ボヨン出演、廃墟と化したソウルで唯一残ったマンションを舞台に、生存者が巻き起こす物語を描くエンタテインメント大作『コンクリート・ユートピア』が、現在大ヒット公開中だ。このたび、本作で防犯隊長に任命され、葛藤しながらも愛する妻を守るべく奮闘するミンソンを熱演したパク・ソジュンのオフィシャルインタビューが到着した。

舞台は“廃墟と化したソウル”

本作は、大災害により一瞬にして廃墟と化した首都ソウルで、唯一崩落しなかったマンションを舞台に、そこに集まった生存者たちの争いを描いたエンタテインメント大作。『隠された時間』で高評価を得た新鋭オム・テファ監督のもと、『非常宣言』『白頭山大噴火』などディザスター大作への名演も記憶に新しいイ・ビョンホン、『梨泰院クラス』や『ミッドナイト・ランナー』などで日本でも熱狂的な人気を誇るパク・ソジュンのほか、パク・ボヨンら韓国エンタメ界を代表する豪華キャストが集結。「第48回トロント国際映画祭」では、「『パラサイト 半地下の家族』に続く傑作(Screen Daily)」と高く評価された。

SNSでも、「今年ベスト級の大傑作!」「理性をなくした人間は恐ろしい」「イ・ビョンホンの怪演が凄い」「極限の環境にいる人間達がどうなるか、がよくわかる映画」「監督のこだわりが随所に見られる飽きの来ない作品」「人間心理の深い部分をえぐっているようで、見応えあり」など絶賛コメントが続々寄せられている。

難役を演じたパク・ソジュンが明かす、監督からの嬉しい言葉とは?

映画『ミッドナイトランナー』(17)では新人賞をはじめ多くの映画賞を受賞し、Netflixドラマシリーズ『梨泰院クラス』(20)で主演を務めたことで、一躍人気を博すこととなったパク・ソジュン。マーベル・スタジオ作品『マーベルズ』でハリウッドデビューを果たし、一流俳優として活躍の場を世界中に広げる彼が、本作の撮影の裏側を語ってくれた。

—公務員だったミンソンは防犯隊長に任命されてから、少しずつ性格が歪んでいく様子でした。演じる上で意識したことは?

ミンソンというキャラクターは平凡な人間のように見えますが、映画の後半部分で感情が露になって変わっていくときに、やりすぎに見えてもいけないし、物足りないのもいけないと考えました。映画全体をみた時に、ミンソンは極端な感情表現をしてはいけないと思ったので、その境界線を見つけることに一番心がけました。そのため、監督と話し合いながら感情の適切なラインを見つけようと努力し、監督のOKサインを信じて1シーン1シーン作っていきました。

—過酷な環境を生き抜く様子が描かれていますが、公開後の今だからこそ話せる裏話を教えてください!

監督はミンソンが変化したあとの状況を大事にしていました。そのため、瞳孔が小さく見えるレンズをつけようかという意見も撮影前にあったそうです。結局、そのレンズをつけるのが難しかったので僕の演技を信じることにしたそうですが、実際にそのシーンで僕の瞳孔が小さくなっていたとおっしゃっていました。当時は知らなかったのですが、後からその話を聞いてとても良いお褒めの言葉をいただいたようで、今でも気分がいいです。

—イ・ビョンホンさん演じるヨンタクが豹変し、本性を露わにする姿が印象的な本作。一緒に演じてみた感想は?

先輩と一緒に撮影をしながら、演技だけでなく現場でのエチケットを見て感じることがたくさんありました。印象的だったのは、撮影中にモニターを見ていた時に、初めて見る先輩の顔があったことです。これだけ長い間演技をしてきた方なのに、まだ新しい顔があるなんて、それなら僕もこれから俳優人生を送る中で新しいものを作り続けることができるなと思いました。横で見ているだけで、本当に良い影響をたくさん受けました。

—パク・ボヨンさんと夫婦役を演じてみて、特に印象に残っているエピソードを教えてください。

ボヨンさんとは最初の撮影から雰囲気が良かったです。お互いに何気ない話をしながら親しくなれる時間を十分に取って撮影をしましたし、小道具の撮影をした時も、同年代の普通のカップルが訪れるホットな場所でデートをしているかのように撮影をしたので、気兼ねなく親しくなれたと思います。お互いの仕事を応援し共有しながら、平凡な日常を送る二人の時間そのものが心地よく感じられ、初めての共演作品にも関わらず息が合ったと思います。

—真冬が舞台の本作ですが、撮影は真夏に行われたとのこと!撮影時に大変だったことは?

暑さに耐えるのが大きな課題でした。真冬の廃墟となった街という設定なので、暖かいダウンジャケットを着なければならなかったのですが、本当に暑い夏でした。でも、状況に合わせた演技をしなければならない仕事なので、現実を早く受け入れて、出来るだけ集中して撮影するように努力しました(笑)

—一番好きなシーンを教えてください。

すべてのシーンに意味が込められていて良いのですが、日本の観客の皆さんにも少しは安心して観ていただけるシーンを挙げようと思います。映画の冒頭でミョンファと2人きりになった時に「黄桃」を一緒に食べるシーンがあるのですが、完成した映画を観ながら、あの時に食べた「黄桃」は今後ミンソンとミョンファが二度と感じることができない甘さを象徴していたのではないかと思いました。今はそのシーンが思い出されますね。

—数多くの恋愛ドラマに出演され“ラブコメの神”と称されていますが、最近はハリウッドデビューも果たし、世界的に活躍の幅を広げられている印象です。今後挑戦してみたい役は?

新しいジャンルや演じたことのない役により惹かれるような気がします。何かをやってみたいと決めているわけではないですが、自分が出来る新しい挑戦には常にオープンです。

—日本では1月5日に公開され、2024年最初の映画が『コンクリート・ユートピア』になる人も多いと思います。そこで、2024年の抱負を教えてください!

まずは僕たちの映画を日本の皆さんに愛してもらえたら嬉しいですし、2024年はファンの皆さんと会える時間をもちたいです。昨年は撮影とプロモーションのスケジュールで余裕がなかったのですが、今年は必ず機会を作ってファンの皆さんと時間を過ごせたらと思います。

—この映画を通じてどんなメッセージを届けたいですか?

それぞれのキャラクターに焦点を当てて観ると、より面白く観れると思います。この作品には様々な人間模様が描かれていて、どのキャラクターに焦点を当てるかによって映画を見る観点や解釈が変わる映画です。様々なテーマが盛り込まれているので、映画を観終わった後に「自分だったらどうしていたか?」と問いかけたり、色々な話をしたりすることが出来る映画だと思います。

自然と“瞳孔が小さくなっていた”と監督から自身の演技を絶賛されたパク・ソジュン。そんな実力派俳優である彼をはじめ、イ・ビョンホンやパク・ボヨンら豪華キャスト陣が織りなす迫力あるストーリー展開、そして真冬のシーンを真夏に撮影したというキャスト&スタッフ陣が、想いを込めて作り上げた本作を劇場で堪能してほしい。

『コンクリート・ユートピア』は大ヒット公開中

CS映画専門チャンネル ムービープラス「今月の韓国映画」でパク・ソジュン出演『悪のクロニクル』ほか放送中

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