特殊詐欺被害防止、電子ギフトで謝礼 全国初の取り組み 京都府警と生保協会

特殊詐欺被害を防ぐための協定書に署名する生命保険協会京都府協会の宇戸会長(右)と府警幹部=京都市上京区・府警本部

 特殊詐欺事件の被害を防ごうと、京都府警と生命保険協会京都府協会は連携協定を結び、被害を水際で食い止めた人への謝礼を電子ギフトで贈る取り組みを始めた。府警によると、電子ギフトを使った謝礼は全国初という。

 府警によると、府内の金融機関やコンビニなどで従業員が特殊詐欺被害を食い止めた水際阻止の件数が、昨年11月末時点で422件(前年同期比44件増)だったという。金融機関やコンビニの従業員は被害を防ぐ上で重要な役割を担っている。

 府警と同協会は昨年11月、水際阻止の重要性が増しているとして、コンビニや金融機関などで特殊詐欺の被害を防いだ人を対象に、電子ギフト千円分を贈ることを盛り込んだ協定を締結した。これまで、被害を未然に防いだ人には各警察署が感謝状を渡していたが、謝礼はなかった。スマートフォン決済の機会が増えているため、電子ギフトでの贈呈を決めたといい、同協会が10万円分を用意している。

 昨年11月下旬、京都市上京区の府警本部であった協定の締結式で、同協会の宇戸大輔会長と仲川徹生活安全部長が協定書に署名した。府警は「活動を通じ、社会全体で特殊詐欺被害を防ぐという機運を作っていきたい」としている。

 

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