クラフトビール醸造販売店が福井駅西に3月16日オープン 「OUR BREWING」30種類を提供

北陸新幹線福井県内開業の3月16日にクラフトビールを醸造販売する店をオープンさせる岡田朋大さん=2023年12月、福井県福井市内

 クラフトビール企画開発の合同会社「OUR BREWING(アワーブルーイング)」(福井県福井市)は、北陸新幹線県内開業の3月16日に向け、JR福井駅西口周辺でクラフトビールを醸造販売する店舗のオープン準備を進めている。2022年以降、福井市の酒造会社と共同で19種類を開発してきた。代表の岡田朋大さん(33)は「福井の人たちと一緒にクラフトビール文化を広めていければ。県内外の人が交流できる空間にしたい」と意欲を見せている。

 岡田さんは学生時代、福井県の奨学生として米オハイオ州のフィンドレー大学に留学。米国には各地にクラフトビールがあり、100種類以上を飲み比べた。「いろいろな味があり、小さな醸造所でも本当においしかった」ため、日本でも提供したいとの思いを募らせた。現地では人種差別も経験したが、ビール片手に語り合うと差別は消えた。「多様性を受け入れるビール文化にもひかれた」と話す。

⇒OUR BREWINGと越の磯がクラフトビールを共同開発

 外資系企業勤務などを経て、「留学できたのは福井県のおかげ。クラフトビールで福井に貢献したい」と20年、Uターンした。北海道から九州まで、車で約60カ所の醸造所を巡り、それぞれの味の特徴を学んだ。

 22年からは福井市の酒造会社「越の磯」と共同で19種類のクラフトビールを開発した。原料の一部に県産ふくこむぎや六条大麦、県産酒米「さかほまれ」を使ったビールのほか、同県あわら市の温泉旅館や飲食店展開の「ぼんた」(本社福井市)とのコラボ商品もある。日本最大の国産ビールの品評会で2銘柄が入賞した。

 店舗では、常時8~10種類の生ビールのほか、オリジナルの缶ビールを含め年間を通して計約30種類を提供する予定。岡田さんは「誰が来ても気に入ってもらえるビールがきっとある。地元の人も観光客も立ち寄れる空間にしたい。県外の人にはクラフトビールを通して、福井を好きになってもらいたい」と話している。

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