関心高まる防災用品 周りの目に配慮した簡易トイレや車に乗せたままの防災セット 静岡市

能登半島地震の発災から15日で2週間。そうした中で今、関心が高まっているのが防災用品です。静岡市内の防災用品メーカーを取材しました。

ファシル 八木貴司取締役
「1月1日以降、通常の何倍もの注文、ネットショップの問い合わせも非常に増えた」

今回の震災で様々な物資の不足が叫ばれる中、実際に石川県の被災地に向かい、およそ6000人分の防寒具などを提供したという八木さん。

ファシル 八木貴司取締役
「場所によって求められているのが違うと感じた。トイレが足りていないところもあれば、ちょうど雪が降る直前に行ったので、防寒対策のものが足りていないところもあった」

家以外で被災したら…

現地での経験も踏まえ、防災グッズを揃える中で、見落としがちなのが、家以外で被災した場合の備えだといいます。

ファシル 八木貴司取締役
「こちらは『ボウサイブロック』という名前。車に乗せる防災セット。やはり皆さんまず防災用品を備えるというと、当然自宅やオフィスだと思うが、災害の発生は時と場所を選ばないので、外に出ているときだったり、日中だったり、旅行に行っているときだったり、いろいろなケースがある」

2016年の熊本地震の際には、7割近くの人が車中泊避難を選択。防災用品を車内に備えておく必要性が注目されました。

大手自動車メーカーの純正アクセサリーにも採用された『ボウサイブロック』。車内は、室内に比べ温度の変化が大きいため、マイナス20℃から80℃まで対応できるクッキーなど、車に備えておきたい12個のグッズが入っています。

トイレは…

生活する上で欠かせないトイレにも工夫が…。

ファシル 八木貴司取締役:「トイレだけ入っていても、実際にどこでするか、例えばアウトドアで山の中でするにしても、茂みでするにしても、周りの目も気になるので、配慮をするポンチョが入っている。こちらがトイレの本体で、横長の袋になっている。こうやって開いて、災害時は緊急的な便器の代わりとして形を作って、ここに用を足す」

東日本大震災の時には、3日以内に仮設トイレが届いた自治体は被災地全体でわずか34%。仮設トイレが設置されても安心はできないため、自分で予め用意しておくことも大切だといいます。

ファシル 八木貴司取締役:「過去の震災も含めて、仮設トイレでも途中でトイレットペーパーが無くなってしまって、拭くものがないので、周りの壁とか糞尿が付いた手で汚れをとった跡だったり、我慢をどうしてもしてしまって、トイレをしたくないがために、飲む水を控えて、それによって体調が悪化して、膀胱炎になってしまったり、健康面に影響が出る」

経済産業省によると、成人がトイレに行く回数は、1日に平均5回。つまり、少なくとも7日間の35回分の備蓄が必要としています。

ファシル 八木貴司取締役:「本当にいつどこで起きるかわからない、それは皆さんわかっているが、なかなか普段から用意するという意識がまだ足りていないと思う。災害が発生した直後が一番つらいし、一番(物資が)ない。やはり最低限最初の数日分は、まずは何か(備えを)しなければいけない」

© 静岡朝日テレビ