〈支え合ってともに 1.1大震災〉能登に日常生活徐々に 営業再開広がる 食料店など「店開いてると安心」

食品スーパーで買い物する住民=15日午後0時20分、輪島市宅田町

 能登半島地震の発生から15日で2週間。被害を受けた能登地区で、営業を再開する店舗が徐々に増えてきた。断水が続く輪島市内のコインランドリーは乾燥機だけでも使えるようにし、食品スーパーやドラッグストアは思うように仕入れができない中で時短営業する。住民が少しでも不便にならないようにと工夫が見られ、訪れた人からは「店が開いていると安心する」との声が聞かれた。

 輪島市宅田町のコインランドリー「ザブーン輪島」は、断水で洗濯機が利用できないものの、乾燥機は使えるようにと店を開けている。15日も大量の洗濯物を乾燥させる家族らの姿が見られた。

 輪島市内の避難所に身を寄せる坂口竜吉さん(47)=同市河井町=は、妻と子ども3人を含めた5人分の服を乾燥させていた。地震の際、着の身着のままで逃げたため、倒壊した家から服を探し出した。服は雨でぬれていたが、坂口さんは「やっと着替えられる」と表情を緩めた。

 コインランドリー近くの食品スーパー「ワイプラザグルメ館輪島」は、壁や天井が剝がれ落ちるなど損傷が激しかったが、店舗一角で営業を続ける。カップラーメンやおにぎり、パンなどは100円で販売し、午前9時の開店から午後4時の閉店まで客がひっきりなしに訪れる。

 常連の沖崎美栄子さん(62)=輪島市河井町=は「普段の生活に戻ったようでほっとする。菓子や日用品が買えてありがたい」と感謝する。店舗に泊まり込んでいる池﨑清道店長(44)は「見切り発車のオープンだったが、喜んでもらえるなら何より」と笑顔を見せた。

  ●一部で行列も

 能登の食品スーパーやドラッグストアでは、一度に入店できる人数を絞ったり、購入できる点数を制限したりして営業しており、行列ができる店もある。

 飲食店や書店などさまざまな業種も徐々に営業を始めている。七尾市竹町の「ノトアフィットネスクラブ」は15日に営業再開し、初日から多くの常連客が訪れた。同施設は11日に断水が解消し、17日からは事前に予約すれば誰でも風呂を利用できるようにする。

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