〈1.1大震災〉応急住宅34世帯決まる 氷見市、入居の抽選

市営住宅の抽選で当選番号を伝える職員=氷見市役所

 能登半島地震で多くの住宅被害が確認された氷見市は15日、提供する応急住宅に申し込んだ人の抽選を行った。対象31世帯が抽選に臨み、24世帯の入居が決定。競合なしの10世帯含め、34世帯の仮住まいが決まり「ほっとしている」と安堵の声が漏れた。

 市は住宅が全半壊するなどした市民に対し、市営住宅15戸(栄町8戸、朝日丘4戸、大野2戸、園1戸)、転勤者用住宅36戸(大浦新町)、移住者用住宅2戸(園、島尾)を用意。41世帯が申し込み、うち栄町を希望した1世帯、朝日丘の2世帯、転勤者用の7世帯は競合がなかった。

 市は応急住宅の清掃を進めており、転勤者用は16日から受け入れ可能となる。

 市中心部では北大町、栄町などの住宅被害が目立つ。栄町の市営では1階の1戸に5世帯、2階の1戸に7世帯が希望した。

 妻と2人暮らしの前田明さん(75)=栄町=の自宅は、応急危険度判定で「危険」となった。前田さんは同町の市営住宅2階の部屋に当選し「ずっと市営に住もうと思っている。(自宅から)遠い所には行きたくなかったのでうれしかった」と表情を緩めた。

 北大町の横田博さん(74)は希望していた市中心部ではなく、郊外の転勤者用に入ることになった。現在は親戚の家に身を寄せており「なんせ家が決まってよかった」と話した。

 中心部の市営住宅を希望し、抽選で外れた50代の女性は「残念だが、仕方ない」と声を落とした。母子家庭で高校1年、中学3年の息子2人がおり、残った転勤者用は子どもの通学に不便なため民間賃貸住宅を探すことにした。

 市は民間賃貸住宅も応急住宅としており、家賃(上限8万5千円)と入居時の経費を負担する。希望者は90世帯以上とみられ、市外での入居も認めている。

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