農業用水路、地震の被害大 富山県・国などが氷見で調査

パイプラインが埋設された道路の状況を調べる県高岡農林振興センターの職員ら=氷見市堀田

 富山県などは15日、地震による氷見市内の農業用水路の被災状況調査を始めた。約1150キロを対象に月内の完了を目指して進め、春からの営農に間に合うよう復旧に取り組む。

 市内には大きな河川がなく、五位ダムから引いた幹線用水路(パイプライン)で、枝線の水路を使って市内全域に供給される水で耕作が行われている。現在、幹線用水路は51箇所の被害が確認されている。

 調査は県や農林水産省、県土地改良事業団体連合会、民間コンサルタント会社の官民連携の62人チームが31班体制で行う。

 同市堀田で行われた調査では県高岡農林振興センターの職員らがパイプラインが埋設された道路に149メートルにわたって亀裂があり、段差は大きいところで65センチあるのを確認した。同センターの渋谷章弘指導課長は「想定より大きい被害。揺れで管路が抜けていると想定される」と述べた。調査することで被害箇所はさらに増えるとの見通しを示し、復旧については「被害の全容が分からないので何とも言えない」とした。

 調査開始に先立ち、出発式が市土地改良区であった。川合規史北陸農政局長や横田美香副知事らが「農業関係の皆さんに安心して農業を営んでもらえるよう一日も早く復旧復興に努める」、林正之氷見市長は「一刻も早く調査をして復旧の道筋をつけてもらいたい」などと述べた。

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