無病息災を願う伝統行事「とんど」がこのほど、京都府京丹波町坂原のわち山野草の森であった。佐渡を拠点とする太鼓芸能集団「鼓童(こどう)」のメンバーが歌を披露し、来園者は組み上げたやぐらから上がる炎に向かい、それぞれの願いを託した。
小雨の中、スギや竹で組まれた約5メートルのやぐらが点火されると、炎と煙が勢いよく上がった。集まった住民らが神社などのお札や書き初めをくべた。
歌は「鼓童」のメンバー藤本容子さん(71)=新潟県=が作った「とんど」のためのもので、参加者約50人が、踊る藤本さんとともに声を合わせた。鼓童の来園は職員の関係者の声かけで実現し、藤本さんは「初めての試みでしたが、みなさんで歌ってくれてよかった。来年もやりたい」と笑顔を見せた。
同町の男性(71)は「自分の思いとともに、能登半島地震に遭われた方が早く日常に戻れるように祈りました」と被災地に思いを寄せていた。