上越市茶屋ケ原・国道8号通行止め 復旧見通し立たず 中腹部に大岩、作業が難航

高田河川国道事務所が13日にX(旧ツイッター)で公開した画像。崩落した土砂が路面を覆っている。中腹部には大きな岩のようなものが見られる

1日に発生した能登半島地震で土砂崩れが起き、通行止めが続く上越市茶屋ケ原地内の国道8号について、国土交通省北陸地方整備局高田河川国道事務所は15日、現時点で復旧の見通しが立っていない、とした。北陸自動車道が代替路となっているものの、高速道路の通行が不安なドライバーもおり、一日も早い復旧が待たれる。

国交省は土砂崩れ発生後の1日午後5時から茶屋ケ原地内の国道8号を通行止めとし、夜が明けるのを待って2日午前7時から現地調査を開始。3日には建設機械を用いた土砂の撤去作業、4日には土砂撤去に加え「ロッククライミングマシーン」によるのり面の掘削に着手した。流出した土砂は1万6000立方メートルと推計された。

しかし9日午後6時前に発生した佐渡付近を震源とする地震でのり面が一部崩れ、新たに1500立方メートル(推計)の土砂が新たに流出した。

同事務所によると、のり面の中腹に大きな岩が露出し作業を妨げているほか、コンクリートの擁壁が土砂に埋まった状態で、作業を難航させる要因になっている。加えて強風や降雪など地域特有の悪天候により「安全性を確保しながらの工事を継続するのが難しい状況」(同事務所)で、復旧のめどを立てられない状況だという。

国道8号沿いに走る、旧国鉄北陸本線の線路跡地を利用した「久比岐自転車道」は土砂に埋没した状態。被害は避けられないとみられる。

国道8号は全国の主要な物流網の一つとしてだけでなく、上越市と同市名立区、糸魚川市の市民生活、商業をつなぐ主要路線。糸魚川市や名立区から上越市内へ通院する人たちからは「高速道路は乗り慣れていないので運転が不安。早く復旧してほしい」という声が聞かれる。

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