人工衛星から得たデータ活用、宇佐市で水道管の漏水調査【大分県】

音を聞き取って漏水の有無を確認する組合員=宇佐市

 人工衛星から得たデータを使って水道管の漏水部分を把握する調査が11日、宇佐市長洲地区であった。作業時間短縮と経費節減のために県が導入した方法で、2025年度までに県内全域での作業を完了させる。

 地中の水分の広がりや濁り具合を電波で絞り込み、管の位置情報を組み合わせて異常が起きている可能性のある場所を探る。

 宇佐市内では公営水道826キロのうち、漏水が疑われる管路が263地点あった。この日は地区内の2地点で市管工事協同組合員8人が歩いて音を聞き取る「音聴(おんちょう)調査」をし、9カ所の漏水を確認した。新年度中に全地点を調べ終える。

 組合の岡本泰治理事長(60)は「これまでは全て歩いて調査していた。負担が減って作業効率も上がる」と話した。

 衛星画像解析企業アステラ社(イスラエル)から技術提供を受けて実施している。県環境保全課によると、3月までに県内ほとんどの市町村で着手する。

 同社の日本代理店ジャパン・トゥエンティワン(愛知県豊橋市)の加藤杜亮(もりすけ)さん(27)は「早期に水漏れした部分を見つけ、水資源の保全につなげたい」と述べた。

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