思いを印字「ココロリンゴ」 やまがたさくらんぼファーム(天童)が販売

祝福や感謝のメッセージをリンゴに印刷した「ココロリンゴ」=天童市川原子・王将果樹園

 天童市川原子で王将果樹園を運営する「やまがたさくらんぼファーム」(矢萩美智(よしとも)社長)は15日、祝福や感謝のメッセージをリンゴに印刷して伝える「ココロリンゴ」の販売を始めた。シャキシャキ感を長期間保持できる処理を施したリンゴを使用。現在印刷できる文字は「おめでとう!」など5種類だが、デザインは拡充を予定している。

 リンゴは主産地の青森県を中心に通年の出荷・販売が一般化し、味や品質、賞味期限とは別の付加価値を付けることが課題だった。同社は、鮮度を長持ちさせる「スマートフレッシュ処理」を施した「ふじ」の表面に白い可食インクで文字などを印刷し、贈り物や飾り物として利用でき、長期間おいしく食べることができる新商品として作った。

 文字は「おめでとう!」「祝」「ありがとう」「感謝」「合格」で、1個540円(箱付き)。園内の自動販売機と公式通販サイトで取り扱い、自販機は当面、500円で販売する。通販は送料が必要。

 矢萩社長は「面と向かっては言いにくい感謝の言葉や、受験・卒業・入学などのお祝いの気持ちをリンゴに託して伝えてほしい」と話している。加工体制づくりに約1年間試行錯誤し、印刷機導入は県中小企業パワーアップ補助金を活用。印刷前のリンゴを磨いたり箱詰めしたりする作業は、障害者が担う。

 同社ではリンゴ以外の果物への応用も検討し、メッセージ内容の充実、企業名やロゴ、イラストなどオリジナル図案への対応も予定している。問い合わせは同社023(657)3211。

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