「世界初」から間もなく14年…大宮盆栽美術館が来館80万人達成 「80万人目」の夫婦に盆栽など贈呈

来館者80万人目の松本さん夫妻(右)。後ろの盆栽は五葉松の「青龍」=埼玉県さいたま市大宮盆栽美術館(提供写真)

 さいたま市大宮盆栽美術館(北区土呂町)の来館者数が10日、80万人を達成した。コロナ禍を経て、訪日外国人の来館者が増加傾向にあり、開館から約14年での達成となった。80万人目の来館者は中央区の松本剛志さん、あさ美さん夫妻。記念品として、盆栽の山もみじ、同館ガイドブック、ミュージアムグッズのトートバッグが贈呈された。

 同館によると、剛志さんは複数回、あさ美さんは初めての来館。剛志さんは「立派な盆栽を近くで見ることができました。特に (五葉松の)『青龍』 は頑張っている感じがして、形がすごく迫力がありました。今は冬で少し寂しい感じだけど、季節ごとに違う変化を見ることができてとても楽しめました」と話した。

 同館は2010年3月、世界初の公立盆栽美術館として開館した。市の伝統産業に指定されている「大宮の盆栽」のほか、盆器や水石、絵画資料、歴史・民俗資料などを収集、公開して盆栽文化を国内外に発信している。

 訪日外国人の来場者は本年度、約7千人に上る。米国や中国からが多く、コロナ禍の直前となる19年度の6720人を既に上回った。22年度は2988人にとどまっており、増加傾向を示している。

 25年に大宮盆栽村(北区盆栽町)の開村100周年を迎える。同館は「英語による交流サイト(SNS)の発信強化のほか、開村100周年に向けて、来館者を増やす取り組みを行っていきたい」としている。

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