「今年こそ家計管理を続けたい!」は4つのポイントを押さえればうまくいく

新たな1年の始まりである1月は、後回しにしていたことにも前向きに取り組みやすい時期です。

「今年こそはお金を貯めたい!」「しっかりと家計管理ができるようになりたい!」そう思っている方も多いのではないでしょうか。

家計管理と聞くと、家計簿をつけることだと思われている方もいらっしゃるかもしれません。家計簿で収支を把握することは家計管理の基本となる大事な部分ですが、過去のお金の使い方を記録するだけで貯蓄が増えるわけではありません。

自然とお金が貯まる家計にするためにやっておきたい、家計管理の4つのポイントについて解説します。


1.昨年1年間の預貯金額を確認する

家計管理は、家計の現状を把握することからです。家計全体の金融資産がどれくらいあるか、把握できていますか?

金融資産には、現預金、株式、債券、投資信託、貯蓄型の保険などが含まれますが、まずは預貯金額の把握からはじめましょう。

自分だけでなく、家族の分も含めると複数の銀行口座があり、家計全体でいくら預貯金があるのかを把握しきれていない方も少なくありません。

頻繁に確認をする必要はありませんが、年に1回は家計全体の預貯金残高の合計額をチェックしましょう。残高の確認日を厳密に合わせる必要はなく、把握している最新の残高で構いません。

チェックをするタイミングは、12月から1月がおすすめです。昨年1年間で家計全体の預貯金額がどれくらい増えたのか(または減ったのか)を確認します。預貯金残高の変化は翌年の貯蓄目標額や予算を考える際の参考になります。

少し手間がかかるように思われるかもしれませんが、資産の推移の変化がわかると、家計管理のモチベーションにもつながります。

筆者の場合、収支の管理には家計簿アプリを利用していますが、家計全体の資産の管理には、Excelで作成した一覧表を利用しています。家計簿アプリによっては、銀行口座や証券口座などをアプリに紐づけて、一元管理ができるサービスもあります。自分にとって管理がしやすい方法を選択しましょう。

2.家計のバランスを保つために予算を立てる

収入から実際に使えるお金の目安額を把握し、生活費の予算を立てましょう。
支出には波があるので、立てた予算を1ヵ月単位できっちり守らなきゃ、と思う必要はありません。ただ、予算を意識しておくと、年間を通して家計のバランスを保ちやすくなります。

会社員の方であれば、年収ではなく、手取り額を元に予算を考えます。年間の手取り額から貯蓄目標額を引き、残りの金額を12で割ったものが、1ヵ月に使えるお金です。

支出の把握ができていないと、予算の内訳を考えることが難しく感じるかもしれません。そんなときには、支出を固定費と変動費に分けて考えてみましょう。

固定費は、住居費・水道光熱費・通信費・保険料といった、毎月一定の金額がかかるものです。口座引き落としやクレジットカードで支払っているケースが多く、金額も把握しやすいはずです。変動費は、食費・日用品費・レジャー費といった、毎月かかるものの、金額に変動があるものをいいます。最初から細かく予算を立てる必要はありません。1ヵ月に使えるお金から固定費を引いた残りをまずは日常生活費として予算立てしてもいいでしょう。

ただし、注意点があります。それは、月々の生活費とは別に発生する不定期な支出はここには含まれていない点です。この不定期な支出についてもしっかりと計画を立てておく必要があります。

3.特別支出の把握と支出方法を決める

毎月の生活費とは別に、1年間のうちにどこかで発生する比較的大きな支出を特別支出といいます。

毎月出ていくものではないので把握がしづらく、金額も大きくなりがちです。特別支出を予算立てせずにいると、毎月の生活費で賄うのが難しくなり、預貯金を取り崩す原因のひとつになります。

特別支出の具体例としては、以下のようなものがあります。

・旅行、帰省費用

・誕生日、お祝い事などイベントに関わる費用

・進学、進級費用

・家電の買い替え

・車検代

・年払い保険料

・自動車税、固定資産税といった税金の支払い

今年必要になりそうな費用をリストアップして合算すると、意外と大きな金額が必要なことに気がつくはずです。

特別支出の目安額がわかったら、次にどこからその費用を捻出するのかを考えましょう。

費用の捻出方法としては、下記3つがあります。

・ボーナスで確保する

・月々の生活費の予算に組み込む

・特別支出用に毎月定額を貯める

大事なことは、特別支出にかかるお金を、年間の予算の中からあらかじめ確保しておくことです。そうすることで、「こんなにお金を使ってしまって大丈夫だろうか」と不安や後ろめたさを感じずに、安心してお金を使えるようになります。

4.先取り貯蓄の仕組みをつくる

お金は残った分を貯める、というスタイルではなかなか貯まりません。お金を貯められている実感も湧きづらいでしょう。やはり、お金を貯めるためには先取り貯蓄の仕組みが欠かせません。

先取り貯蓄の方法には、積立預金、財形貯蓄、積立投資、iDeCoなどがあります。方法を選択する際の基準となるのが、貯蓄をする「目的」と、目的に応じたゴールまでの「期間」です。この2つを明確にした上で、適した方法と積立金額を選択しましょう。

1~5年以内に使う予定のあるお金を貯める場合には、使いたい時にすぐに引き出せるように、流動性の高い商品を選ぶようにしましょう。例えば、元本保証がある積立預金や一般財形貯蓄が選択肢となります。

一方、5年より先に使うことを目的にする場合は、積立投資やiDeCoなど投資による方法を取り入れることで、リスクを取りながらもより効率的にお金を増やすことが期待できます。

積立投資を行なう際にぜひ活用していただきたいのが、運用益が非課税となることで、より投資の効果が期待できるNISA制度です。

2024年1月から新NISA制度がスタートしました。2023年までのNISA制度に比べて、年間投資枠がつみたて投資枠と成長投資枠を合わせると360万円に増え、非課税保有期間が無期限化されることで、より利用しやすくなります。まだNISAを利用していない方は、始める絶好のタイミングです。

すでに何かしらの方法で先取り貯蓄をしている方も、今の方法と金額が適切かを見直し、必要であれば改善していきましょう。

1月を制するものが家計管理を制する

「今年こそはお金を貯めたい!」と思っているなら、スタートが肝心です。今回解説した4つの抑えておきたいポイントはどれも家計管理には欠かせないベースとなるものです。モチベーションが高い1月のうちに家計管理のベースをしっかりと整えておきましょう。1年の初めに家計管理がスタートできると、年間を通して家計のバランスを整えやすくなります。

人は区切りやゴールがあった方が、意識も続きやすく、行動できます。家計管理は1月~12月を一区切りとして取り組み、1年後に資産がどう変化しているかをぜひ確認してみてください。家計管理の仕組みが整うと、毎年自然とお金が貯まる家計になっていきますよ。

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