BAR経営&地方公務員の異色お笑いコンビが職を捨て東京進出する理由 おもしろ荘で注目「骨付きバナナ」

BARを経営する「うえし」と地方公務員の肩書を持つ「こうだい」からなる異色のお笑いコンビ「骨付きバナナ」がこのほど、よろず~ニュースのインタビューに応じた。大みそか深夜に日本テレビ系で放映された「ぐるナイおもしろ荘 今年も若手にチャンスを!!誰か売れてスペシャル」出演で話題となり、3月から大坂を離れて東京進出を発表。4月でデビュー5年目を迎える2人が、安定した職業を捨て東京にかける思いを語った。

昼間仕事の公務員と夜間営業のBAR経営者。なかなか時間の合わない2人は、LINEのやりとりを中心に打ち合わせをしている。

うえし「こんなにネタ合わせをしていないコンビはいないですよ」

こうだい「相方がLINEで『ネタができた』って送ってきてくれて、それを僕が確認して、通勤中に覚えるとか」

うえし「ネタは全部頭に入れて来てくれるので、ライブが始まる直前の1時間ぐらいから、『こういういい方にしてほしい』とか確認しますね」

こうだい「たまに休日に時間を取ってやることもあるんですけど、ほとんどないですね」

舞台でネタを披露する骨付きバナナ・うえし(左)とこうだい(提供・松竹芸能)

コンビを結成した当初から東京への憧れはあったが、昨年、東京でテレビ番組への出演が増えたことが〝決定打〟となった。

うえし「ネタ番組がほとんどで、毎回違うネタで出させてもらって。その度に東京に行っていたんですけど、芸人さんから話を聞くと、オーディションの数が(大阪と)結構違う。だったら、東京で(オーディションを)数多く受けられたり、先輩方とちゃんと関係をつくれたりしたら、もっとメディア露出が増えるんじゃないかと思って。手ぶらで東京へ行ってもゼロからのスタートになるし、1個手土産を持った状態で行きたかったので、いいタイミングで『おもしろ荘』に出させてもらい、いろいろなライブにも呼んでもらいやすくなるかなと」

こうだい「市役所に勤めているんですけど、働いていても面白くないし、いつか芸人一本で行きたいなあと思っていたので。東京のテレビに出ると、東京の芸人さんは映り方とか慣れているし、売れるには東京でいろんな番組に出ていかないと難しいと思って。『おもしろ荘』に出たタイミングも良かったし、それに(市役所の)有給もなくなったのもあって、両立の限界が来たかと」

BARを経営する骨付きバナナ・うえし(提供・松竹芸能)

うえしは大学卒業後、大手企業に就職したが、お笑いへの思いが抑えきれずに、3年で退職。松竹タレントスクール大阪校に入学すると同時に以前からやりたかったBAR経営も始めた。

うえし「会社員1年目のときに、会社員だけやっていても面白くなくて、辞めようと思っていたので。お笑いはもともと好きで、披露する場所がないのに、漫才のネタを趣味で書いていました。自分が面白いと思ったものを、世に出さずにはいられないという。ただのナルシシストなんです」

地方公務員として勤務する骨付きバナナ・こうだい

こうだいは大学を卒業して兵庫県・伊丹市役所の職員となり、同時に松竹タレントスクール大阪校に入学した。

こうだい「お笑いが好きなったのは中学3年生ぐらいのときで、テレビでM-1とか真剣に見ていました。最初は働きながらお笑いがしたかったです。地方公務員は副業が制限されているのですが、職場の許可を得たらオッケーという感じのルールになっていまして」

東京進出のため、1月末で退職することになったが、職場の温かい反応に感謝している。

こうだい「むちゃくちゃ、みんな優しくて…。1月末で退職するんですけど、『ああ、ついに行くか』、『すごいことやから、頑張ってほしい』と言われましたね。本当に悪い人はいないんですよ。最近も職場で1万円をいただきました」

東京進出に対して不安よりも期待の方が大きい。

うえし「お笑いが忙しくなるなる想定で行きたいので、BAR経営はいったんは考えていないですね」

こうだい「チャンスが多いのが東京なので、そこに行くしかないですね。最初はバイトをすると思うんですけど、売れたいので公務員に就職することはありません」

うえし「ふたりとも変に自信があるんですよ」

骨付きバナナ・うえし(左)とこうだい

◆骨付きバナナ 和歌山県出身のうえし(30)とこうだい(28)が松竹タレントスクール大阪校で出会い、2019年11月に結成、2020年4月にデビュー。舞台、テレビなどで活動中。3月から東京進出を発表。

(よろず~ニュース・中江 寿)

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