建物に危険判定「店もう無理」 再建向け、厳しい現実

経営するすし店の周辺を片付ける田端喜久雄さん。応急危険度判定で「危険」と診断された=16日午後、石川県輪島市

 能登半島地震の被災地では応急危険度判定が本格化し、「危険」や「要注意」と書かれた赤や黄色の張り紙が市街地で目立ち始めた。家屋の多くが立ち入り危険とされた地区もあり、店の経営者は「再開はもう無理」と肩を落とす。被災地の住宅やなりわいの再建に向け厳しい現実を突き付けている。

 石川県輪島市の田端喜久雄さん(81)は、経営するすし店に隣接する自宅に大きな被害がなく、店の再開にかすかな望みを抱いていた。道の駅の近くに店を構え「観光客も来てくれ、何とか店をやってこられた」。

 すし店は建物が崩れるほどの被害はなかったものの、専門家は、店舗の基礎部分や柱が破損しているとして「危険」と診断した。

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