フグ名産化へ「処理者」初試験 漁獲急増の福島県

 福島県では高級魚トラフグの水揚げ量が近年急増し、「福とら」のブランドで名物に育てようとの機運が高まっている。厚生労働省が、フグをさばく「処理者」の資格の全国平準化を促す指針を出したこともあり、県は2023年に認定試験を初めて実施し、11人が合格した。同県相馬市の漁師石橋正裕さん(44)は「東北でもフグ食文化が広がれば」と期待する。

 フグは体の一部に猛毒を持つ。フグの種類に関する知識や有毒部位を取り除く技術を持ち、都道府県などの認定を受けた処理者が自らさばくか、処理者立ち会いの下で他の人がさばいた物しか、食用販売はできない。

 厚労省によると、処理者の認定基準は都道府県でばらばらだった上、資格が他県で無効というケースもあった。こうした事態を解消しようと、同省は19~20年に処理者に必要な知識や技術を明示し、自治体に向けて資格認定の指針を出した。

 福島県では、国指針を受け、新制度では実務経験などを問わず、知識と実技の試験に合格すれば資格を取れるようにした。

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