「ペルソナ3 リロード」プレビュー:楽曲「Full Moon Full Life」、新戦闘服やテウルギアなどの新要素にファン感激のリメイク作

アトラスが2024年2月2日に発売を予定しているXbox Game Pass/Xbox Series X|S/Xbox One/PS5/PS4/PC(Steam/Windows)用ソフト「ペルソナ3 リロード」。本作のプレビューをお届けする。

「ペルソナ3 リロード」では、「ペルソナ」シリーズのターニングポイントにもなったタイトル「ペルソナ3(以下、P3)」がP-STUDIOの手で装いを新たに現行ハードにて生まれ変わる。シナリオや登場キャラクターなどゲームの根幹はそのままに、操作性の向上、グラフィックを一新。“あの感動”がより鮮明になり再び味わえる作品となっている。

今回のプレビューでは、ゲームの序盤部分を遊ぶことができた。ゲームやシステムの概要、大型シャドウ“プリーステス”との戦闘については、試遊インプレッション記事を確認してほしい。

前回の試遊インプレッションに続き、また「ペルソナ3 リロード」をプレイできるということで、「ペルソナ」シリーズファンとしてワクワクしながらプレイスタート…の前に、まず確認しなければならないのがオープニングだ。

オープニング映像はYouTubeでも公開されているので、目にしている人も多いだろう。「P3」関連だけでも「Burn My Dread」「P3 fes」「Soul Phrase」など、素晴らしいOP楽曲が生まれてきたが、今回の楽曲「Full Moon Full Life」も非常に印象的。高橋あず美さんとLotusJuiceさんの繊細ながらも力強い歌唱はもちろん、「Burn My Dread」を感じさせる曲調は、ファンとしても熱くならざるを得ないポイントだ。

曲はもちろん、映像でも好きな箇所が数多く存在するが、一つ挙げるとするならば、疾走感のあるサビとともに流れる、新戦闘服に身を包んだS.E.E.S.メンバーのペルソナ召喚シーンだ。ファンとしても期待を大いに超える出来のオープニングに、映像公開後は毎日一回以上視聴することはもちろん、いつ見ても感動してしまっている。

以前に公開された「PERSONA3 RELOAD LIMITED BOX Original Sound Track」収録楽曲試聴動画を含め、楽曲だけでも期待感を高めてくれるのは、「ペルソナ」シリーズならではの魅力的なポイントと言える。

OPを十分に堪能したところで、いよいよゲームスタート。はじめに難易度選択となるが、今作ではPEACEFUL、EASY、NORMAL、HARD、LUNATICの5つから選択可能となっている。

LUNATICは超上級者向けの難易度で、他の難易度に変更できるものの、一度変更するとLUNATICには戻せない仕様。他の難易度に関しては、どれを選んでも途中でLUNATIC以外のものへ変更は可能だ。

ゲーム序盤では、主人公が巌戸台へたどり着き、学生寮へ向かうところが描かれる。ここで注目したいのがムービーシーン。「ペルソナ3 ポータブル(以下、P3P)」では、残念ながら見ることができなかったため、「P3P」から「P3」シリーズに触れたという人にとっては「初めてムービーシーンを見られる!」ということもあり、非常に嬉しいポイントだ。

また、以前の「P3」作品をプレイしたことがあるという人でも、「ペルソナ3 リロード」で生まれ変わったグラフィックで描かれるムービーには、新鮮味を持つことができるだろう。

その後、岳羽ゆかり(CV:豊口めぐみ)、伊織順平(CV:鳥海浩輔)、桐条美鶴(CV:田中理恵)たちと出会い、普通の学園生活を送っていたが、満月のある日に“シャドウ”と呼ばれる謎の怪物の襲撃を受ける。その最中、図らずも“ペルソナ”と呼ばれる心の力に目覚めた主人公は、同じくぺルソナ能力者が集う組織・特別課外活動部(S.E.E.S.)へ加入。仲間たちと共に世界の謎に立ち向かっていくことになるのだった。

“プリーステス”戦を踏まえ、その後のストーリーついても触れていきたいところだが、「ペルソナ3 リロード」で初プレイという人のためにも、ネタバレ防止のため詳細は伏せておく。そのため、以降では前回体験できなかったことや、今作から追加された新要素を中心に紹介していく。

…ちなみに、ストーリーの途中から戦線に復帰する真田明彦(CV:緑川光)や美鶴は、初回攻撃時に専用のセリフとともにおなじみのカットインが必ず発生していたという点は、個人的に嬉しかったポイントだった。

まず1つ目が、新グラフィックになった今作での探索。以前のプレイでもタルタロス内の探索は行ったが、主人公たちの通う“月光館学園”をはじめ、“ポロニアンモール”や“巌戸台駅前商店街”などに行くことはできていなかった。

「P3P」の簡易的な移動方法も良いシステムではあったが、主人公を直接動かして探索するというRPGならではの要素を味わうのはもちろん、新たなグラフィックで描かれる街並みを堪能したいという気持ちが強かった。

今作では、カメラを上下左右に少し動かせることに加えて、ズームイン・アウトも可能になっているので、それぞれの思い入れのある場所はもちろん、様々な箇所を隅々までチェックしてみてほしい。

また、1ファンとして楽しみだったのが新戦闘服と特別なスキル“テウルギア”の登場タイミングだ。完全な新要素となるため、「いつ来るのか!?」とワクワクしながらプレイを進めていたほどだ。実際のシーンを目にしたのだが、専用のムービーやイベントも用意されており、思わず「カッコいい…」と声を漏らすとともに感動してしまった。

テウルギアについては、行動が回ってきた時に“テウルギアゲージ”が溜まっていると発動可能になり、通常とは異なる強力なスキルを放つことができるというもの。発動に必要なテウルギアゲージは、戦闘中、攻撃やスキルの発動といった戦闘行動をとることで上昇するが、キャラクターに応じた特定の行動を行った場合、より大きく上昇する。

例えば、主人公であればペルソナを召喚した時、岳羽ゆかりは誰かの傷を癒した時など、行動とそれによって引き起こされる感情がキャラの個性とリンクしたものになっている。

また、テウルギアで与えるダメージは属性が付与されている。ただ、相手が耐性、無効、反射、吸収といった相性を持っていた場合は? と思う人もいるかもしれないが、テウルギアでは耐性を無視したダメージを与えられので、安心してほしい。

ちなみに、複数のペルソナを扱うことができる“ワイルド”の素養を持つ主人公のテウルギアは“ミックスレイド”と呼ばれる特殊なものとなっている。“ペルソナ合体”などを行う“ベルベットルーム”で特定のペルソナを“ペルソナ全書”に登録することで習得が可能だ。これによって、新たなペルソナを生み出す楽しみも倍増。新機能により、既存の要素がさらに楽しくなるという相乗効果も生まれているのがポイントだ。

さらに、テウルギア以外にもタルタロスでは新たな要素が用意されている。その1つが“薄明の欠片”。これは主に鍵のかかった宝箱を開けるのに必要なアイテムとなっている。薄明の欠片自体は、タルタロス内のオブジェクトから入手できるほか、月光館学園やポロニアンモールなどに落ちていることも。また、エリザベスと会話するともらえることもあったので、忘れないでチェックしてほしい。

タルタロス・エントランスやダンジョン内に設置されている時計。こちらは新要素ではないが、少し仕様変更がなされている。以前までは、お金を消費してHPとSPを回復できる機能を持っていたが、今作では薄明の欠片を消費するものとなっている。

筆者は、1日(ゲーム内時間)でできる限りタルタロスの進行度を進めるというプレイングを、初めてプレイした「ペルソナ3 フェス」の時から行っていた。そのため、「ペルソナ3 リロード」でも同じ進め方をしたが、薄明の欠片が枯渇し、しぶしぶ鍵付きの宝箱を見逃すということも多かった。なので、筆者と同じようなプレイングだったという人がもしいたら、注意してほしい。

その他、主人公たちが暮らす学生寮にも新要素が多く存在する。寮内にある共用の設備を使って仲間と一緒に過ごすことができ、料理やテスト勉強、読書やDVD鑑賞のほか屋上菜園など種類は様々。仲間たちと一緒に過ごすことで自身の人間パラメータが上昇するほか、仲間たちは“特性”と呼ばれるバトルで役に立つパッシブスキルを獲得することもある。

個々のS.E.E.S.メンバーとの新規のやり取りを見ることができるので、ファンとしても必見の要素となっている。発生時には、迷わず岳羽ゆかりとのイベントを見てしまった筆者だが、プレイする際はぜひ各々の好きなキャラとのイベントをチェックしてほしい。

試遊インプレッション、そして今回のプレビューと「ペルソナ3 リロード」をプレイしてきたわけだが、進めるたびに新たな要素が出てくる他、パワーアップした既存の要素など、改めて「P3」という作品を新鮮な気持ちで遊ぶことができたと実感している。

本記事で紹介した以外にもまだ見ぬ新要素が用意されているほか、プレイすればするほど魅力が増す“コミュ”やベルベットルームでの“ペルソナ合体”などについても多く語りたいポイントがあるので、そちらはまた別の機会に紹介したい。

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