「90分通して勝てば良い」優勝見据える日本、遠藤航は南野拓実だけじゃなく自身のバースデーもカタールで祝う「1カ月前からイメージしている笑」

遠藤航がアジアカップの戦いを語った[写真:Getty Images]

日本代表MF遠藤航(シュツットガルト)が、改めてベトナム代表を振り返った。
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アジアカップ2023を戦っている日本代表。14日には初戦でベトナムと対戦し、4-2で勝利。しかし、前半にはセットプレー2発で逆転されるなど、簡単な試合にはならなかった。

遠藤はベトナム戦にフル出場。前半はダブルボランチの一角として守田英正(スポルティングCP)とコンビを組み、後半はアンカーとしてプレー。チームの同点ゴールに繋がる南野拓実(モナコ)へのパスも光った。

19日にはイラク代表戦を控えている日本。インドネシア代表相手に1-3で勝利したが、まだ試合は見ていないとのこと。ただ、イラクも圧力をかけ続けて試合をものにしている。

遠藤は「対アジアだけでなくゲームの入りはどこが相手でも重要なので、勢いを持ってやるというのは僕らもそうですし、どのチームも立ち上がりの10分、15分は前から行くというのが増えていると思います」とコメント。「僕たちはゼロで抑えながら、自分たちからアクション起こしていかに先制点を取れるかが大事だと思います」と語った。

その点ではベトナム戦は前半はプレスがハマらず苦戦。逆転を一時許した中で、なんとか逆転勝利を収めた。

前半については「一対一の部分はそうですが、相手のボールの動かし方に対して自分たちのプレスがハマっていないというところ。(プレスへの)行き方も自分たちがあまり良い状態で行けていないので、その分剥がされてしまった部分もあります」と振り返り、「後半はシステムも変えていくメリハリもつけて、奪える部分も何回か作れたかなと思います。前半は勢いを持って前から行きたいけど、相手も後ろにかなり人数かけて下がりながらボールを動かしていたので簡単ではなかったです」と分析した。

ただ「前半はあれで良いというか、その中で修正を自分たちでしていければベストでしたが、ハマっていないなと思っても行き続けてみると(南野)拓実のところでボールを引っ掛けてというシーンとかあったので、問題はないかなと思います」とし、やっていたこと自体は大きな問題ではないと振り返った。

一方で、日本はベストメンバーではなく、コンディションもまだまだ。決勝を見据えた調整をしている中での初戦でもあった。

遠藤は「まだケガ人もいたり、ちょっとウィンターブレイクで休んでいた選手もいるし、練習試合をやったにしても試合勘というのはこれからだと思います」と語り、「個人的にも一回休んだのでここからコンディションを上げていくところかなというところです」と、まだまだ100%には遠い状態でもあるとした。

とは言え、セットプレーからの2失点は修正しなければいけないポイント。「マークとかはチーム全体でオーガナイズしないといけないですし、今日も反省をして、映像を見てどうすれば良かったか話しているので、1つ1つ起きたことに対応していくことが大事だと思います」と、修正力を持っていくことが大事だとした。

また「CKに関して言えば、マークが1枚浮いていて、自分が2枚見ていたというのもあって、最終的に自分がマークにつききれなかったので、そこはオーガナイズの問題で次は同じことは起きないと思います」と、こちらも守り方を修正できるとした。

カウンターやセットプレーは日本など格上の国に対してどの国も取る手段の1つ。「セットプレーは大事になってきていて、かなり戦術的にちゃんと落とし込んで1点取ろうというチームが増えていて、それは当たり前だと思う」と語る遠藤は、「セットプレーの重要性は攻撃でも守備でも高くて、対策しなければいけないですが、それでもやられてしまうことは気にしすぎないで、セットプレーの対応をチームとして準備してやった上で失点してしまったら仕方ないと割り切ることも大事。ちょっとずつ修正する必要が大事で90分通して勝てば良い」と、修正して対応はしていくものの、気にしすぎることが良くないと語った。

2026年のワールドカップ(W杯)に向けた戦いの中で、大きな大会はこれが最初で最後。7試合を戦える上では、チームが目標とするW杯優勝に向けたシミュレーションにもなる。

「こういう大きな大会は何回もないので、次のW杯に向けて良いイメージを持つ大事な大会ですし、まずはこの大会を優勝数ことだけを考えています」

「みんなチーム全員が戦力として必要だと分かっていて、W杯を経験している選手はより分かっていると思うので、マネジメントは僕じゃなく監督が考えることです。自分たちにできることはスタメンだろうがスタメンじゃなかろうが、チームの勝利に貢献できる準備をそれぞれすることが大事だと思います」

チーム力が問われるのが短期決戦の大会。その戦い方も知っている遠藤だが、リオ五輪では何もできずに敗れて終わっている経験もしている。遠藤はこうした大会での経験を、自分の糧にできるかどうかが大事だと考えていると明かした。

「勝っても負けても1試合、その大会の経験というのは無駄にはならないわけで、それをポジティブに自分の中で変換して、今後のキャリアに活かしていくということは、選手次第だと思います」

「結果が出なかった人が結果を残しているわけではないんですけど、結果が出なくても結果が出ていても、自分の中でしっかり活かしながら成長していけるかが大事だと思います」

「どんな結果であれ、しっかり自分がどうなりたいかという目標がハッキリしている人だけが、ここに残っているので、その辺はそれぞれみんな思いがある中でここにいると思います」

そしてこの日は南野のバースデー。2016年のリオ・デ・ジャネイロ五輪の仲間であり、現在は共にヨーロッパでプレーし日本代表でも共闘している。

ベトナム戦では遠藤の縦パスから南野がゴールを決めるなどしたが、「なんだかんだリオ組もしぶとく残っている。あの時は結果を残せなかったですけど、お互い色々な経験をして、キャリアを積んで、また今ベテランというか年齢が上になってチームを引っ張っていかなければいけないです」とコメント。「拓実も苦しみながらもしっかりと代表に戻ってきて結果を残しているというのは、素晴らしいことだと思います。すごく自信を持って今はプレーしていると思いますし、僕は長くやっていて彼の良さとかどういうところで受けたいかというのは分かっているので信頼してやっています」と、仲間の復活劇を喜んだ。

そんな遠藤は2月9日がバースデー。決勝まで進むと、その前に誕生日を迎えることとなる。

遠藤は「もちろんです(笑)」と日本代表で祝われたいとし、「1カ月前からイメージしていますし、前回からそれはイメージしているというか、今日拓実が何するか分からないですけど、お祝いして、僕はここでしっかり誕生日が祝えるようにしたいです」と、優勝を目標にする中で、決勝に行く理由がもう1つあると語った。

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