【カンボジア】人権団体の報告書、政府が反発[政治]

カンボジア政府は、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)がこのほど発表した報告書について、バランスを欠き、カンボジア政府の評価をおとしめようとするものだと反発している。地元各紙(電子版)が伝えた。

HRWは各国の人権状況をまとめた「ワールドレポート2024」で、「カンボジア政府は民主主義を演出しようとしているが、現実を反映していない」と指摘した。

政治については、選挙は統制されたものであり、実質的に一党政治であるカンボジアでは、野党や市民団体は政府の嫌がらせを受けていると述べた。独立したメディアは存在しないとも指摘。全ての政府機関は与党・人民党の統制下にあり、司法も政治の介入を受けていると報告した。 

政府のペン・ボナ報道官は、報告書はカンボジアの実情を正しく伝えていないと批判。18政党が参加して2023年7月に実施された総選挙は自由かつ公平に行われ、投票率は83%に達したと述べた。

情報省のテップ・アスナリット報道官は、報告書は一方的で公正を欠くと指摘。カンボジアでは報道や表現の自由は憲法で保障されており、メディアは自由かつ透明性を維持して報道を行っていると強調した。一方で、メディアは政治面への介入は避けるべきとの認識も提示。倫理規定への違反が認められた場合は法的責任を負うことになると語った。

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