冬の味覚プリッっと甘み、福井県の小浜湾で「若狭かき」の出荷が本格化

クレーンでつり上げられる若狭かき=1月11日、福井県小浜市仏谷
「ぷりっぷり」の若狭かき

 福井県の小浜湾で養殖されている冬の味覚「若狭かき」の出荷が福井県小浜市内外海地区で本格化している。栄養豊富な海で昨夏の猛暑を乗り越え育ったマガキは「身入りや味もばっちり」と生産者。養殖いかだから水揚げし県内外へ出荷されている。

 若狭かきは、小浜湾に面した同市甲ケ崎、仏谷で養殖されている。仏谷で約30年養殖に携わる大住徳博さん(66)は、種ガキをホタテの貝殻に付着させ、ロープでつり下げる「垂下式」で1年ほど養殖。昨年11月から水揚げしている。

 沖合約400メートルの養殖いかだからマガキを引き揚げ、専用の機械でロープから分離。殻の形や身入りの良さで選別し、フジツボなどの付着物を取り除いていく。その後1週間ほど海に戻してから出荷していく。

 1月11日は、大住さんと息子の一平さん(24)が水揚げや選別作業などを行った。直径8センチほどの貝殻を開くと、中から乳白色のぷりっとした身が姿を見せた。昨夏の猛暑による海水温の上昇、少雨などにより大粒はやや少ないものの「小粒でも甘みのあるおいしい出来栄え」と大住さんは太鼓判を押す。

⇒【写真】身入りも、味もばっちり!

 毎年関西圏などからの注文もあり、3月まで出荷は続くという。大住さんは「酒蒸しや炭火焼きなどで食べてみて」と話している。

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