夜の恐竜博物館 “独り占め”いかが 閉館後に「誕生日会」 モニターの家族ら満喫 長崎

誰もいない常設展示室を満喫する菫さん(手前)ら=長崎市、市恐竜博物館

 長崎市野母町の市恐竜博物館は、閉館後に貸し切り利用できる「ナイトミュージアム」事業の個人向け需要を掘り起こそうと「誕生日会」を提案。15日はモニターとして家族連れらが夜の博物館を楽しんだ。
 同館は2021年10月オープン。閉館後の利用実績としてはこれまでに、ウエディングフォト撮影などがある。ナイトミュージアムを始めた昨年4月以降は団体4件が利用。モニターは、午後5時の閉館後の館内を個人でも“独り占め”できることを周知しようと実施した。
 この日は、誕生日を迎えたばかりの同市立高尾小5年の宮﨑菫さん(11)の家族と友達ら計9人が参加した。
 午後6時半、飾り付けられた展望ホールで誕生会がスタート。菫さんが好きなトリケラトプスのイラストが描かれ、恐竜のチョコレートもあしらわれたケーキは、同館が地元洋菓子店に依頼し特別にプレゼント。バースデーソングを歌い、お祝いした。
 子どもたちは夜の展示室を自由に歩き回った。常設展示室では、骨格標本レプリカなどが鏡のように窓に映し出される幻想的な雰囲気を満喫。2人の弟も恐竜が大好きで、月に1度ほど家族で来館するという菫さん。「誕生日会も友達もびっくり。夜だからいつもと違って楽しかった」と笑顔を見せた。
 母親の弥生さん(40)は「普段は大きな声を出さないようしているが、貸し切りだと気にしなくていい。子どもたちも伸び伸びとできた」と話した。
 ナイトミュージアムは、個人の貸し切りは1時間3万円。誕生日会は閉館後に準備などをして、午後6時半ごろからの利用を想定している。高江晃館長は「誕生日に限らずいろいろな形で利用いただき、愛される博物館に」と話した。

© 株式会社長崎新聞社