勇壮に「オーマラ」 上越市西横山 小正月行事クライマックス

オーマラの周りに、たいまつの火が輪の軌跡をつくる

上越市西横山で15日夜、オーマラが行われた。たいまつを振り回してさいの神(オーマラ)の周りを走り、燃え上がる炎が14日から行われている同市の無形民俗文化財、西横山の小正月行事のクライマックスを飾った。

同日昼に子どもたちが「焼き草集め」で家々を回って集めたわらなどを使い、西横山の広場にオーマラが作られた。わらを3本の芯木に巻き、立てて縄で一つにまとめてオーマラを作り上げた。作業中は「オーマラ、オーマラ」と声を上げ、人々が「オーマラ」と口にしながら徐々に集まってきた。

地元の中川幹太市長らのあいさつに続いてオーマラが始まった。麻殻(おがら)のたいまつに火をつけ、それを振り回しながらオーマラの周りを走る。前を走る人に追い付くと、たいまつでヘルメット越しに頭をたたき、火花が飛び散った。

今年は初参加も多く、主催する西横山小正月行事保存会の和瀬田仙二会長は「火が消えたたいまつではたたくな」などアドバイスを送った。最後はたいまつでオーマラに火をつけ、スルメなどを焼いた。和瀬田会長は「新しく婿に来た人が出てくれた。皆さんの協力あってのもの。今後も続けていきたい」と話した。

千葉から移住し、くわどり湯ったり村に勤める孫田康弘さん(31)は「新鮮な体験で感動の一言」、同施設の寺島克弥支配人(45)は「子どもから役割があり、続けているところがすごい」と初参加の感想を話した。

オーマラの周りではたいまつの火花が散る

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