別れ話の後の凶行…包丁で左胸刺され「死を覚悟した」 福井の殺人未遂公判で被害男性が証言

 2022年7月、知人男性を包丁で突き刺して殺害しようとしたとして、殺人未遂の罪に問われた福井県福井市の無職の女(54)の裁判員裁判公判が1月16日、福井地裁(内山孝一裁判長)であった。男性は証人尋問で「尋常じゃない痛みだった。死を覚悟した」と証言した。

 被告と交際していた男性は事件当日、会うのは週2回という交際のルールを破った被告と口論になり、「ルールを守れないならもう終わりや」と別れを告げたと説明。その後、寝室のベッドで寝ていた際に「左胸に強い衝撃があり、びっくりして起きた。金づちでたたかれたのかと思った」と振り返った。

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 男性の治療に当たった医師は「胸の中にたまっていた出血だけで700~800ミリリットル程度。動脈などの損傷があれば死亡する可能性もあった」と証言した。

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 起訴状によると、22年7月26日午後11時50分ごろから27日午前1時15分ごろまでの間に、福井市の知人男性=当時(59)=の自宅で、男性の左胸を包丁で突き刺し殺害しようとしたとされる。男性は全治1カ月のけがを負った。

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