天然氷切り出し音響く 日光の松月氷室 冬の恵み、透明度高く

極寒の中で行われた天然氷の切り出し

 【日光】山久保の製氷池で17日早朝、蔵元「松月氷室」(今市)の天然氷の切り出しが始まり、山あいに氷を切る機械音が響いた。

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 夜が明けきらない午前6時に作業を開始。気温は氷点下6度。照明に浮かび上がる製氷池周辺は前日の雪も多く残っている。

 一面に張った氷の厚さは約12センチ。「例年よりやや厚みはないが、透明度は高く品質はいい」と話す同氷室代表の吉新昌夫(よしあらまさお)さん(64)が縦78センチ、横50センチの氷板に切り分け、氷室のスタッフや手伝いに訪れた飲食店関係者らが冷凍倉庫に運び込んだ。

 この製氷池では、18日までに氷板にして2600枚ほどを切り出す。その後、再び氷を張る予定という。「天然氷は日光の冬の恵みであり、日光の自然そのもの。その季節感を楽しんでほしい」と吉新さん。生産した天然氷は関東一円に出荷され、かき氷やスイーツなどで提供される。

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